「見る／見られる」が恋をえぐる——
性と視線の迷路から〈おかえり〉へ。

こんにちは！かなひなです😊

今回は、押見修造さんが“視線・性・自己肯定”を鋭く描いた「おかえりアリス」をご紹介します。

あらすじ・感想・軽いネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください🥺

まずは「どこで読める？」「どこで買える？」からチェックしましょう！

✅ 結論、以下で読めます！

主要電子書店（ebookJapan・BookLive・DMMブックス・Kindle・Renta!・楽天Koboなど）で配信。紙単行本は全7巻で完結済みです（講談社・講談社コミックス）。

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他にも読めるところは沢山あるのですが、私が認識しているものをピックアップしました。
私は、ebookJapanでの購入は、初回70%OFFクーポンもあるので全巻買うならここが最もお得😊

📖 おかえりアリス 概要

幼なじみの亀川洋平・三谷結衣・室田慧の三人。中学1年の夏、洋平は結衣と慧のキスを偶然目撃し、気まずさと嫉妬から三人の距離は崩れていく。
やがて慧は転校し、残された洋平と結衣は“何事もなかった”かのように日常へ戻ろうとする。

高校入学の日、「男を降りた」と語る慧が女性の装いで帰ってくる。
整えられた髪やメイク、立ち居振る舞い、そして視線の受け止め方までもが変わった慧の再登場は、洋平と結衣の心に隠していた不安と欲望をあぶり出す。

“見る／見られる”という関係性が快楽にも暴力にもなり得ること、男らしさ／女らしさの役割期待から「降りる」ことで見えてくる自己像、他者に肯定されたい衝動と自分で自分を肯定する難しさ――。

押見修造が得意とする表情と「間」で、思春期の繊細な揺らぎを容赦なく描き出す青春群像劇です。

✍️ おかえりアリス 作者

押見修造（おしみ しゅうぞう）。思春期の心の痛点をえぐり出す作風で知られるマンガ家。
代表作に、倒錯と自己嫌悪が渦巻く青春劇『惡の華』、身体と自我のズレを正面から扱った『ぼくは麻理のなか』、渇望と孤独を吸血のメタファーで描いた『ハピネス』、親子の密着と支配を描破した『血の轍』など。

過剰な説明に頼らず、沈黙のコマ・寄りの顔・視線の交差で感情を伝えるのが持ち味。
背景やモノローグを抑え、読者に“解釈の余白”を委ねる演出で、羞恥・羨望・自己嫌悪といった「目をそむけたくなる感情」をリアルに可視化します。

『おかえりアリス』では、ジェンダーや性欲の問題を誰かの“正解”で塗りつぶさず、揺らぎそのものを肯定する立ち位置で描き切っています。

👥 おかえりアリス 登場人物

亀川 洋平（かめかわ ようへい）
幼い頃からの幼なじみ3人組の“普通”でいたい語り手的存在。
内気でメガネの少年だが、思春期に性への関心が芽生え、慧との会話をきっかけに自分の欲望と向き合わざるをえなくなる。

中学時代に“ある現場”を目撃して以降、結衣と慧の間で募る嫉妬や気まずさから距離を取り、自己嫌悪も抱える。
高校では結衣と交際を始める一方、慧から向けられる身体的な接近に対して、理性と反応のズレに苦しみ続ける。

揺れ続ける視線と欲望、そして「自分はどうありたいのか」という問いが彼の物語を駆動する。

室田 慧（むろた けい）
幼なじみ。中1の夏に北海道へ転校し、高校入学時に東京へ戻ってくる。
「男を降りた」と宣言し、女装で学校生活を送る金髪の姫カットが象徴的な存在。

世間的な“男らしさ”への違和感をはっきり言語化し、他者の視線を引き受けながら、自分のあり方を探る。
洋平に対しては挑発と保護が同居するような距離感で迫り、三人の均衡を意図せず／ときに意図的に崩していく。

彼（彼女）の生き方は、性別・身体・欲望をめぐる価値観を読者にも突きつける。

三谷 結衣（みたに ゆい）
幼なじみ。中学時代には慧への片想いがあり、高校で“別人のように変わった”慧と再会して動揺する。
高校では洋平と交際を始めるが、かつての想いと現在の関係性の間で揺れ続け、〈誰かに見られる私〉と〈私が見たい私〉のズレに悩む。

三人の間で生じる嫉妬や罪悪感、承認欲求に向き合いながら、「普通の恋」を望みつつも、視線と欲望が絡み合う現実に何度も直面する。

阿野 蓮（あの れん）
洋平たちの通う高校の2年・美術部員。慧に絵のモデルを依頼し、やがて「男と女が埋め込まれる前に戻る」という慧や洋平の言葉に深く共感する。
三人が絡まる関係に、創作という別の回路から踏み込み、〈見られる身体〉と〈描かれる身体〉の間に新しい意味を与える触媒的ポジション。

阿野の眼差しは、慧にとっても洋平にとっても、自分たちを“そのまま”見つめ直す鏡として機能していく。

👀 見どころ

■ 表情と“間”で刺す演出

押見修造の真骨頂は、説明しないのに分からせる画面づくり。
目線の泳ぎ、唇の乾き、手の甲のこわばり、呼吸の間合い――セリフが無音でも感情の密度が伝わります。

コマとコマの“呼吸”を空けて読者に想像の余白を渡し、ページをめくるテンポで不安や高揚を増幅。
とくに、羞恥→自己嫌悪→昂ぶりの微細な移行を、寄り→引き→沈黙のリズムで刻むのが見事。
キャラの「言えない本音」が、目元や指先のアップだけでこちらの胸に刺さります。

刺さるポイントは次の通り：

• 沈黙のコマ…セリフ無しの見開きが、言葉より雄弁に感情の“落差”を描く。
• 視線のズレ…同じ画面で二人の視線が交わらない構図が、関係の断絶や逡巡を可視化。
• 身体の細部…喉仏・耳・指の節など、“欲望が宿る場所”を点で見せることで、読者の想像を喚起。

■ 視線の快楽と暴力

この物語の駆動力は、“見る／見られる”という関係が持つ二面性。
見られることは承認にも屈辱にもなり、見ることは理解にも支配にもなり得ます。登場人物はそれぞれの視線によって揺さぶられ、欲望・嫉妬・優越・羞恥が渦を巻く。
作者はカメラ位置（主観／客観）を切り替え、視線の矢印を画面設計で体感させます。

たとえば、廊下や教室のような“公共の視線”が集まる場所では、わずかな仕草の変化さえ増幅され、キャラの内部にある「見られたい」「見られたくない」の葛藤が露わに。
スマートな心理説明に頼らず、噂・注目・沈黙といった環境の圧で心拍数を上げるので、読者はいつの間にか“見る側”の責任も問われます。

■ 「降りる」ことで見える自分

慧が口にする「男を降りる」は、単なる女装宣言ではありません。社会から与えられた役割（男らしさ／女らしさ）を一度脇に置き、自分にとって誠実な在り方を選び直す行為です。
服装・髪型・立ち居振る舞いは“鎧”ではなく“選択”へ。周囲の視線に晒されながらも、自分を定義する主導権を取り戻していくプロセスが丹念に描かれます。

同時に、本作は「降りた」からといってすぐに楽になるわけではない現実も直視します。
他者の期待／自己像のズレ／肯定の欲望がぶつかり、痛みは続く。
それでも一歩ずつ境界線（同意・距離・呼び方・触れ方）を言語化していくことが、三人の関係を壊すのではなく、更新へ向かわせる――その過程が読後に静かな余韻を残します。

🏢 出版社

出版社：講談社／掲載誌：別冊少年マガジン／レーベル：講談社コミックス
連載：2020年5月号〜2023年9月号／単行本：全7巻（完結）。

📱 公式SNS

公式特設は見当たりませんが、マガポケの作品ページから最新情報を確認できます。

⭐口コミ・評価・評判まとめ

• (5.0)表情が語りすぎる
  目線や口元のわずかな変化だけで感情が伝わる。セリフが少ない場面ほど胸に刺さる名演出。
• (5.0)視線のドラマが圧巻
  “見る／見られる”の関係だけで緊張が立ち上がる。読む自分の視線も問われる感覚が新鮮。
• (5.0)揺らぎを肯定する物語
  男らしさ／女らしさの枠から降りる勇気を、断定せずに丁寧に描く。読後に静かな余韻。
• (5.0)間とコマ割りの妙
  沈黙→寄り→引きのリズムで心拍数が上がる。ページをめくる手が自然に早くなる快感。
• (4.0)痛いのに目が離せない
  嫉妬・羞恥・自己嫌悪の連鎖がリアル。青春の“見たくない部分”まで直視してくれる。
• (4.0)三角関係のリアリティ
  恋と欲望のズレ、承認欲求のぶつかり合いが等身大。誰の気持ちにも肩入れしてしまう。
• (4.0)テーマの深さ
  ジェンダー・身体・自己肯定を軽さに逃げずに描く。解釈の余白があり読み返しが効く。
• (3.0)テンポはじっくり
  会話と視線で進む場面が多く、アクション派には緩やかに感じるかも。噛むほど味が出るタイプ。
• (3.0)主人公の逡巡にストレス
  優柔不断さがリアルな一方、もどかしさも。感情移入の度合いで好みが分かれるポイント。
• (2.0)トリガー注意
  性的な話題や身体への違和感をめぐる描写あり。読むタイミングと体調は選んだほうが安心。

“説明しすぎない”演出と視線のドラマに高評価が集まる一方、ゆっくり進む心理劇ゆえ好みは分かれます。まずは無料試し読みで作品の呼吸を確かめてみてください！

🔎おかえりアリス ネタバレ・考察｜最終回の結末だけサクッと解説

終盤は、三角関係の軋みが限界を越えます。結衣は洋平と肉体関係を持ち、二人の前で挑発的な言動に出る一方、洋平は性欲への嫌悪と自己否定に追い詰められ、ついには性器の“切断”を試みるほど精神が破綻。

阿野蓮は創作（デッサン）の回路から二人に伴走し、洋平は「性欲の沼から抜け出す」と決意します。 この崩壊→決意が、最終巻（7巻）の「別れ」と「再出発」へつながります。

最終巻ではまず三谷の「さよなら」。慧が「おんなだって降りられるよ」という言葉に結衣は一度は揺れますが、涙の末に“さよなら”を選ぶ。
慧からのキスは第1話の反転（確認→誘い）として描かれ、三人の関係に一区切りがつきます。

続いて慧の断髪。洋平に長い髪を切り落としてもらい「男を降りる」ために「女になる」という枠からも降りようとする、象徴的な行為として示されます。

クライマックスは、洋平と慧が身体も名前も脱いでいく“融合”イメージに到達する場面。二人は「はじめはここにいた」「なんどでも」と語り合い、幼い頃――性の役割が刷り込まれる前の自分たち――へ“帰る”イメージを共有します。

作中では輪郭がほどけ、「からだをぬぐ」という表現で、恋愛／性欲という既成の枠の外側にある“二人”の在り方を仄めかします。

エピローグでは、洋平が「二人のからだを作り直そう」と決め、慧と共に新しい日常へ踏み出す決意を交わす。

最終章は、関係の“名前”は曖昧なまま、役割よりも互いの肯定を先に置く選択を示して幕を閉じます（“性別をどう降りたか”は断定されず、読者に委ねられる）。

※この結末は、三人の関係が終わりではなく、新たな探求の始まりであることを示唆しているように思います。

ラストがちょっとわかりづらいので、もうちょっとざっくりまとめます

ラストは、作中で場所名は明示されませんが、屋外の開けた場所（読者によっては公園や並木道に見える）で、時間が経って大人になった洋平が独白しながら“ある場所”へ向かい、しばらく会っていなかった慧と再会します。
そこで交わされるのが「おかえり」「ただいま」。タイトルの回収（39話「おかえり」→40話「アリス」）にもなっていて、関係の“名前”を決めきらずに、互いの存在をまず肯定する形で物語が閉じます。

もう少し細部を補足すると、最終章は“からだをぬぐ／はじめはここにいた”という象徴的なやり取りのあと、時が流れます（レビューでは洋平が22歳前後の大人になった、と読み取られています）。

要するに――

二人は一度離れ、数年のブランクを経て再会する（どこに行っていたか等の詳細は語られない）。

再会の場は“日常”の外景（公園のようにも見える）で、台詞は簡潔に「おかえり／ただいま」。

性や役割の“答え”は断定せず、〈戻る場所＝相手〉を得たこと自体を結末に据える。

この“曖昧さを残す肯定”こそが押見修造先生らしいエンディングで、後書きでも「何度でも“ただいま”といい、“おかえり”と迎えてあげたい。それしか無いのかな、と思う」と〆られています。

⚠️rawやzipで検索するのは非常に危険

「おかえりアリス raw」や「おかえりアリス zip」と検索して非公式サイトから作品を手に入れようとする方が後を絶ちませんが、これは大変危険です。
正体不明のファイルを開くことで端末が汚染されたり、著作権を侵害して法的トラブルに巻き込まれたりするリスクがあります。

クリエイターの努力を守るためにも、公式配信サービスの利用を強くおすすめします。

セキュリティリスク

違法アップロードサイトのファイルにはマルウェアやスパイウェアが仕込まれている場合が多く、一度ダウンロードするだけで個人情報が漏洩したり、端末が正常に動作しなくなる恐れがあります。

著作権侵害と法的トラブル

無許可でのダウンロード・共有行為は明確に著作権法違反です。罰金や損害賠償の請求はもちろん、場合によっては刑事罰を受けることもあります。

クリエイターへのリスペクト

正規の電子書籍サイトやアプリで購入・閲覧することで、作者や出版社に正当な収入が還元されます。漫画業界を健全に発展させるためにも、ぜひ公式ルートを選んでください。

🎯 おかえりアリス まとめ

■ “見る／見られる”が物語を動かす、痛切で美しい青春ドラマ
■ 性・身体・役割から「降りる」勇気を、断定せずに描く稀有な一作
■ 全7巻完結で読み切りやすい。まずは試し読み→クーポン活用で賢く購入が正解！

✔ こんな人に刺さります

• 台詞より“表情と間”で語る心理劇が好き
• 三角関係のリアリティ（嫉妬／羞恥／承認欲求）をガチで味わいたい
• ジェンダー観や「男らしさ／女らしさ」に違和感を抱えた経験がある
• 押見修造の“目をそらせない”作風が刺さる
• 完結済み（全7巻）を一気読みしたい

🛒 購入前チェックリスト（失敗しない買い方）

• 無料試し読みで雰囲気確認（コマの“間”が合えばほぼ間違いなし）
• 初回クーポンを最大活用（例：ebookJapanは70%OFF×6回でまとめ買いが安い）
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• 紙派は全7巻を本棚に。電子派はスマホで一気読みが快適
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🚀 最短ルート（今すぐ読みたい人向け）

• 1～2話を試す（表情と視線の演出が刺さればGO）
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• 最終7巻で“おかえり”の回収へ（余韻を味わいながら読了）

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