黛ジュン「乙女の祈り」歌詞の意味・考察|近くにいても言えない恋、相手を支えたい願い
- リリース日:
- 1968/1/5
- 推定売上枚数:
- 41.1万枚
近くにある手のぬくもりに、
言葉だけが追いつかない。
こんにちは!かなひなです😊
近くにいる相手ほど、好きだと言うのが怖くなることがあります。黛ジュンさんの「乙女の祈り」は、遠くから相手を眺めるだけの恋ではなく、近さがあるからこそ、言葉で変えてしまうのをためらう恋だと私は思います。
語り手の願いは強く、相手を思う気持ちもはっきりしています。それでも口に出せないのは、気持ちが少ないからではありません。今あるつながりを大切にする思いと、もっと深く結ばれたい願いが、一緒にあるように読めるのです。
「乙女の祈り」は1968年1月5日発売。作詞はなかにし礼さん、作曲は鈴木邦彦さんです。恋が言葉になる手前の怖さと、相手の寂しさを受け止めたい気持ちを考えてみます。
『ゴールデン☆ベスト』黛ジュン
「乙女の祈り」の基本情報
| 曲名 | 乙女の祈り |
|---|---|
| アーティスト | 黛ジュン |
| 発売日 | 1968年1月5日 |
| 作詞 | なかにし礼 |
| 作曲 | 鈴木邦彦 |
| 編曲 | — |
| 収録作品 | 『乙女の祈り』 |
| シングル順 | — |
| 発売元・品番 | 紹介CD:TOCT-10854 |
オリコンの当時のチャート資料 / 歌ネットの詞曲欄 / 紹介CDの公式曲目
オリコンの1968年2月22日付週間チャート資料では、発売日は1968年1月5日と記載されています。歌ネットの詞曲欄には、なかにし礼さんと鈴木邦彦さんが掲載されています。
紹介CD『ゴールデン☆ベスト』は2002年6月19日発売。品番TOCT-10854、全18曲の3曲目に本曲を収録しています。「天使の誘惑」「夕月」なども入る本人のベスト盤です。
「乙女の祈り」の歌詞
歌詞の意味・解釈
近さを失いたくないから、願いは言葉の手前に残る
言えない理由を、今あるつながりと、望む関係の違いから読んでみます。
言えば近づけるとは限らない、という怖さ
語り手は、自分が相手を好きかどうかで迷っているわけではありません。迷いがあるのは、その気持ちを口にしてよいかどうかです。自分の思いがはっきりしていても、相手に伝えた後の関係まで見通せるとは限らない。その差が、言葉をためらわせるように読めます。
私は、この歌を、まったく接点のない相手への片思いとだけは読みません。歌の中には、二人の手が触れ合う近さもあります。すでにあるつながりを感じているからこそ、告げることで今の関係が変わるのを恐れるのではないでしょうか。
近いことと、望む形で結ばれていることは同じではありません。今の親密さを保ちたい気持ちと、さらに深い関係を願う気持ち。その両方があるために、近づくための言葉が、逆に近さを失うきっかけにも思えてしまうのだと私は考えます。
題名の祈りは、ここでは宗教的な儀式より、まだ相手への言葉にできない願いとして受け取れます。口に出せないから思いが弱いのではなく、大切な関係を動かすのが怖い。願いが内側に残ることそのものに、この恋の切実さがあるように感じます。
愛されたいだけでなく、相手の寂しさを支えたい
この歌の恋は、自分を選んでほしいという願いだけではありません。相手の寂しさへ注意が向き、その人を支えたい思いもあります。自分の幸福だけでなく、相手が心を休められることまで願うところに、語り手の優しさが見えると私は思います。
相手の表情を見つめることで、語り手の気持ちは、自分の恋からその人の心へ向きます。好きな人に寂しさを一人で抱えてほしくない。その優しさは相手の弱さへ近づこうとしますが、自分の思いを打ち明けることには、別の怖さが残っています。
相手に心を開いてほしい一方で、自分は恋を口にできない。その違いも印象に残ります。相手の弱さは受け止めたいのに、自分の願いを見せるのは怖い。私は、支える側になりたい思いの中にも、自分をさらけ出すことへのためらいがあると読みます。
だから、この祈りを、ただ受け身で答えを待つ姿とだけは見ません。相手を大切にしたい気持ちは、すでにその人へ向いています。ただ、それを二人の関係を確かめる言葉にするには踏み出せない。優しさと怖さが一緒にあるところに、この歌の恋の深さを感じます。
この曲を聴く
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1968年の曲を、黛ジュンさんの歩みの中へ
本曲と同じ年に発表された曲へも、年表から進めます。
「天使の誘惑」「夕月」と並ぶ1968年の作品
YumeRecordsの本人年表では、1967年に「恋のハレルヤ」「霧のかなたに」、1968年に「乙女の祈り」「天使の誘惑」「夕月」が挙げられています。翌1969年には「土曜の夜何かが起きる」「自由の女神」「雲にのりたい」が続きます。
紹介している『ゴールデン☆ベスト』には、これらの曲も入っています。本曲の願いに惹かれたところから、同時期の曲へ広げたい方は、年表とCDの曲目を合わせて選べます。レーベルの本人年表。
収録曲で選ぶ、18曲入りと15曲入りのベスト
どちらにも「乙女の祈り」が入り、曲目のまとまりに違いがあります。
「夕月」まで広げる一枚か、15曲を選ぶ一枚か
2002年の『ゴールデン☆ベスト』は全18曲、2018年の『エッセンシャル・ベスト1200』は全15曲です。どちらも本曲は3曲目。15曲入りの盤にも「恋のハレルヤ」「天使の誘惑」「雲にのりたい」などが入っています。15曲入りCDの公式曲目。
18曲入りの紹介盤では、さらに「愛の奇蹟」「ダンス天国」「夕月」も選べます。同じ歌手のベストでも、収録の範囲は違います。「乙女の祈り」と一緒にどの曲を聴きたいかを、選ぶ手がかりにできます。18曲入りCDの公式曲目。
この曲のまとめ
「乙女の祈り」の言えない恋は、相手が遠いからだけではなく、今の近さを大切にするからこそ生まれる。私は、そう読む曲だと思います。もっと結ばれたい願いと、その言葉で関係を変える怖さが、同じ心の中にあるのです。
曲へ戻るときは、語り手が自分の願いだけでなく、相手の寂しさにも目を向けていることを受け取ってみてください。支えたい人に、自分の思いを見せるのは怖い。優しさとためらいの間に残る願いが、題名の祈りにつながるように感じます。
「乙女の祈り」に関するよくあるご質問
- Q.1黛ジュン「乙女の祈り」はいつ発売?
- A.1
1968年1月5日発売です。オリコンの当時のチャート資料に、この日付で載っています。
- Q.2作詞・作曲は誰?
- A.2
作詞はなかにし礼さん、作曲は鈴木邦彦さんです。歌ネットの黛ジュンさんの曲ページに掲載されています。
- Q.3題名の祈りはどう読める?
- A.3
この記事では、相手と深く結ばれたいけれど、まだ言葉にはできない願いとして考察しています。気持ちの弱さより、関係を変えることへの怖さに注目しています。
- Q.4相手とはまったく接点のない片思い?
- A.4
歌の中には、二人の手が触れ合う近さもあります。ここでは、今ある親密さと、望む関係との違いに注目し、関係を一つの呼び名に固定せず読んでいます。
- Q.5相手を支えたい願いもある?
- A.5
相手の寂しさへ気持ちが向き、その人を受け止めたい願いがあります。自分が愛されたい思いだけではないところを考察しています。
- Q.6同じ年の黛ジュンさんの曲には何がある?
- A.6
YumeRecordsの年表には、1968年に「乙女の祈り」「天使の誘惑」「夕月」が掲載されています。紹介CDにはこれらの曲も入っています。
- Q.7紹介しているAmazonのCDは?
- A.7
2002年6月19日発売の黛ジュン『ゴールデン☆ベスト』です。品番TOCT-10854、全18曲の3曲目に本曲を収録しています。
- Q.815曲入りの別ベストにも入っている?
- A.8
2018年3月21日発売の『エッセンシャル・ベスト1200 黛ジュン』にも収録されています。品番UPCY-7492、紹介している18曲入りCDとは別の商品です。
- Q.9歌詞はどこで読める?
- A.9
歌ネットの黛ジュン「乙女の祈り」ページで読めます。
この曲が気になった方へ
近くにいても言葉にできない恋を読む曲へ。

