サウダージの歌詞の意味を考察|別れても、恋をした自分は消さない
さよならを告げた唇に、まだ恋が残っている。
忘れたいのは、あなたか。あなたを待つ私か。
こんにちは!かなひなです😊
今回取り上げるのは、ポルノグラフィティの「サウダージ」。終わった恋を受け入れたいのに、心がついてこない。そんな気持ちを歌った曲として、この記事では読み解いていきます。
別れたことは、もう分かっている。
それなのに、好きだった気持ちだけが置いていかれる。
この曲で気になるのは、相手に向けた言葉のようでいて、自分の心に言い聞かせているようにも読めるところです。強がっているのか、それとも本当に前を向こうとしているのか。その境目が、なんとも切ないんですよね。
しかも、そんな心を乗せて走るのは、ラテンの色を帯びたリズム。音楽はこんなに前へ進むのに、気持ちだけが追いつかない。「サウダージ」は、どうしてこんなにも切ないのか。タイトルの意味や晴一さんの言葉も手がかりに、少しずつたどってみましょう。
ポルノグラフィティは広島県因島出身のロックバンド。1999年に「アポロ」でメジャーデビューし、翌年の「ミュージック・アワー」「サウダージ」「サボテン」で活動の幅を広げました。現在は岡野昭仁さんと新藤晴一さんの2人ですが、「サウダージ」の発売当時はTamaさんを含む3人編成でした。Sony Musicの公式プロフィール
『foo?』
「サウダージ」の基本情報
| 曲名 | サウダージ |
|---|---|
| アーティスト | ポルノグラフィティ |
| 発売日 | 2000年9月13日 |
| 作詞 | ハルイチ(新藤晴一) |
| 作曲・編曲 | ak.homma(本間昭光) |
| シングル順 | 4枚目 |
| オリジナルアルバム | 『foo?』(2001年2月28日発売) 3曲目に「“D”tour style」を収録 |
| シングル集 | 『ポルノグラフィティ全書 ~ALL TIME SINGLES~』(2024年9月4日発売) DISC 1・4曲目 |
| 発売元・品番 | ソニー・ミュージックレコーズ/SRCL-4901 |
| タイアップ | TBS系「ワンダフル」内ミニドラマ主題歌 大塚製薬「ポカリスエット」ミュージックリーグver. CMソング |
発売・収録情報:Sony Music「サウダージ」/『foo?』。クレジット・発売元は紀伊國屋書店のCD商品情報、タイアップはKMP提供の楽譜情報も参照しています。
「サウダージ」は2000年のシングルですが、『foo?』は2001年発売です。「曲の発売年」と「収録アルバムの発売年」が違うのは、この順序によります。
「サウダージ」は何の主題歌?
アニメ・ドラマ・CMとの関係
「サウダージ」は、TBS系「ワンダフル」内で放送されたミニドラマの主題歌です。
大塚製薬「ポカリスエット」のCMソングにも使用されています。
アニメ主題歌としての起用は確認されていない
ポルノグラフィティには、「メリッサ」のようにアニメと強く結びついた楽曲があります。そのため、「サウダージも何かのアニメ曲だった?」と記憶をたどる人がいても、不思議ではありません。
ただし、Sony Musicの公式ディスコグラフィーとプロフィール、KMP提供のタイアップ情報を2026年9月17日に確認した範囲では、「サウダージ」がテレビアニメやアニメ映画の主題歌として起用されたという案内は確認できませんでした。
主題歌は「ワンダフル」内のミニドラマ
「サウダージ」が主題歌として使われたのは、TBS系バラエティ番組「ワンダフル」の番組内ミニドラマです。連続テレビドラマやアニメの主題歌ではなく、バラエティ番組の中で放送されたドラマの主題歌、という位置づけです。
ポカリスエットのCMソングにも使われた
もう一つのタイアップは、大塚製薬「ポカリスエット」の「ミュージックリーグver.」CMです。「サウダージ」は秋の失恋を思わせる曲として知られていますが、発売当時はテレビ番組やCMを通じても耳に届いていました。
タイアップ情報:KMP提供「楽譜@ELISE」の楽曲情報。発売・収録内容:Sony Music「サウダージ」。
「サウダージ」の歌詞
歌詞の意味・解釈
別れを認めることと、愛を否定すること
以下は当サイトの考察です。作者の発言を紹介する箇所では、その出典と区別して記しています。
「サウダージ」の意味は、懐かしさだけじゃない
「サウダージ」はポルトガル語の saudade に由来します。ポルトガル語辞典Priberamでは、不在の人や過ぎた時間などを懐かしむ思いと、それらを失っていることによる悲しみを説明しています。「郷愁」という訳で知られますが、故郷だけを対象とする言葉ではありません。Priberamの語義
懐かしい、と聞くと、少し温かな気持ちになりますよね。でも、その懐かしさの先にいる人には、もう会えないかもしれない。思い出すほど近くなるのに、現実では遠いままです。
幸せだったからこそ、思い出すと痛い。
この言葉を恋の歌に重ねると、そんな切なさが見えてきます。「悲しい」だけでは、あの頃の温かさが抜け落ちる。「懐かしい」だけでは、今の寂しさが伝わりきらない。その両方を抱えたタイトルなんですね。
女性目線の歌? 晴一さんの言葉を手がかりに
女性の言葉遣いで進む「サウダージ」。女性の失恋を歌っている、と受け取るのも自然です。ただ、晴一さんの発言をたどると、それだけではないことが分かります。
作者の発言を伝える資料
スポニチの2011年の回顧記事
新藤晴一さんが、男性にもある恋愛への弱さを女性の言葉で表現したかったと説明したことを伝えています。ここで参照しているのは本人の発言を掲載した報道であり、元のインタビュー全体ではありません。スポニチの楽曲回顧記事を読む
この背景を知ると、女性か男性か、どちらかに決めなくてもよさそうですよね。平気な顔をしたいのに、恋には弱い。その気持ちは、語尾や一人称だけで区切れるものではありません。
自分のこととしては照れくさくて言えない気持ちも、別の誰かの言葉なら口にできる。女性の語り口には、そんな働きもあるのかもしれません。
晴一さんが書き、昭仁さんが歌う。その先で、一人ひとりの思い出に触れる。歌の中の人は自分と違うのに、なぜか自分のことに思えてしまう。「サウダージ」の面白さは、そこにもありそうです。
言い聞かせている相手は、自分の心かもしれない
この曲では、別れた相手だけでなく、自分の恋心にも言葉が向けられています。そこに目を向けると、相手を引き止める歌とは少し違って見えてきます。
恋は終わった。もう待たないほうがいい。
頭では答えが出ているのに、心がどうしても納得してくれない。
相手にはもう伝えられなくても、自分の中では会話が続いてしまう。次の言葉を返してくるのは、まだ好きでいる自分です。そう読むと、強い口調も、余裕から出たものとは限らない気がします。
言い切ったから、吹っ切れたわけじゃない。
むしろ言い切らないと、また待ってしまうのかもしれません。きっぱりした言葉の下に、行き場のない恋心がある。その危うさに、この歌の痛みを感じます。
忘れられないのは、弱さなのか
早く忘れたほうが楽になる。失恋した人へ、そう声をかけたくなることもあると思います。でも、忘れられない気持ちを全部「未練」で片づけてしまうのは、少し寂しくありませんか。
誰かを好きだった時間には、その人を待っていた自分も、何気ないことで喜んだ自分もいます。恋が終わったからといって、その頃の自分まで間違いだったことにはしたくない。
もう一度、恋人に戻りたい。
あの恋が大切だったことは、なくしたくない。
似ているようで、この二つは違います。「サウダージ」には、後者の気持ちも重ねられるのではないでしょうか。戻れないと分かっていても、大切だったことまで消さなくていい。そう読むと、切なさの中にほんの少し、温かいものが残ります。
速い曲の中で、気持ちだけが追いつかない
スポニチの回顧記事では、ラテン系の打楽器を取り入れ、先行するシングルとは異なる音作りを試したことも紹介されています。悲しみをゆっくり歌い上げるのではなく、動きのある音楽として届けた点は、この曲の大きな特徴です。
軽快な曲なのに、気持ちはちっとも軽くない。この食い違いが、歌詞をいっそう切なくしているように思います。
つらいことがあっても、明日はいつもどおりやってきますよね。朝になれば出かけるし、仕事も用事も待っている。自分の中だけ、昨日の続きが終わっていない。曲は先へ先へと進むのに、心は同じところへ戻ってしまう。その重なりとして聴くと、リズムの勢いにも別の意味が生まれます。
もちろん、そのリズムに身を任せる聴き方もあります。話すにはまとまらない気持ちが、歌なら声になる。悲しいままでも、一曲ぶんは前へ進める。そんな受け取り方ができるのも、「サウダージ」の好きなところです。
2000年のポルノグラフィティにとって、どんな曲だったか
公式の活動記録をたどると、「サウダージ」はデビューの翌年、夏の「ミュージック・アワー」に続いて発表された4枚目のシングルです。同年末には「サウダージ」でNHK紅白歌合戦へ初出場しています。公式Biography・2000年の記録
「ミュージック・アワー」の夏の開放感から、「サウダージ」の恋の終わりへ。同じ年のシングルを並べるだけでも、がらりと景色が変わります。デビュー初期をたどるなら、この二曲を続けて聴くのも楽しそうです。
実話なの? モデルになった人はいる?
今回確認した公式情報と発言掲載記事の範囲では、特定の恋人や一つの実体験をモデルにした曲だとは確認できません。感情が生々しく書かれていることは、実話の証明とは別です。
それでも、誰かの本当の話なのかな、と気になる気持ちは分かります。割り切れなさまで書かれているからこそ、作り話という距離を置きにくいんですよね。
ただ、モデルの名前が分からなくても、この曲の切なさは変わりません。歌の中の誰かを探していたはずが、いつの間にか自分の思い出をたどっている。そんな余白を残して聴くのもいいと思います。
この曲を聴く
一曲から、アルバムの世界へ
まず一曲を聴くなら配信で。カップリングまでたどるならシングルCDで。どの作品から入るかによって、「サウダージ」の隣に並ぶ音楽も変わります。
SINGLE / 2000
『サウダージ』
表題曲に加え、「見つめている」「冷たい手~3年8カ月~」「Search the best way」を収録。ヒット曲の一曲先へ進みたい人に。
AmazonでシングルCDを見るORIGINAL ALBUM / 2001
『foo?』
「サウダージ “D”tour style」を収録。「サボテン」や「ミュージック・アワー Ver.164」と並べて、当時のアルバムの中で味わいたい人に。
『foo?』の収録曲・購入先を見るSINGLE COLLECTION / 2024
『ポルノグラフィティ全書
~ALL TIME SINGLES~』
「サウダージ」はDISC 1の4曲目。「アポロ」から続くシングルの歩みを通して聴きたい人に向いています。
シングル集の収録内容を見る配信内容や販売状況は各サービスでご確認ください。
公式動画で出会い直す
THE FIRST TAKE 第148回・2021年9月3日公開。企画のための特別アレンジで披露された一発撮りのパフォーマンスです。公開時の公式発表を読む
岡野昭仁さんは出演に際し、一発録りをライブの一期一会に通じるものとして語っています。聴き比べるときは、原曲との優劣をつけるより、伴奏が変わることで歌の言葉がどのように前へ出るかに注目すると、曲をもう一段楽しめそうです。
ライブでの「サウダージ」
「サウダージ」は、2016年の横浜スタジアム公演や2021年の全国ツアーでも演奏されています。ただ、同じ曲でも、曲順やアレンジは公演によって違います。ここでは二つのライブをのぞいてみましょう。
2016年・横浜スタジアム。早くも3曲目に登場
『横浜ロマンスポルノ’16 ~THE WAY~』の公式映像商品の曲順では、「ハネウマライダー」「横浜リリー」に続いて「サウダージ」が並びます。この公演では、終盤の切り札としてではなく、序盤から観客を引き込む位置に置かれていたことが分かります。Sony Musicの公式収録曲一覧
最後まで取っておくのではなく、始まってすぐにこの曲が来る。その曲順だけでも、ライブの入り方を想像したくなりますね。一曲だけの動画とは違って、前後の曲ごと楽しめるのがライブ映像作品のうれしいところです。
2021年・全国ツアー。マイクを使わない歌い出し
2021年12月21日の東京ガーデンシアター公演を伝えるレポートでは、『THE FIRST TAKE』につながるアコースティック版が演奏され、岡野昭仁さんが冒頭をマイクなしで歌ったと紹介されています。声を出せない観客が拍手で応えたことも報じられています。TOWER RECORDSの公演レポート
声を返せなくても、拍手で応えることはできる。このレポートには、その日のライブならではのやり取りが残っています。大きな合唱もいいけれど、歌のあとの拍手にも、その場の気持ちは表れるんですね。
『横浜ロマンスポルノ’16
~THE WAY~』
当該公演の「サウダージ」を収録。序盤から代表曲が続くライブ全体の流れで楽しみたい人向けです。収録内容はSony Musicの公式情報でも確認できます。
口コミ・評価では、何が語られている?
CDの公開レビューと、公開されている演奏への感想を読み、内容を転載せず整理しています。以下は確認した範囲の声で、ファン全体の多数意見を示す集計ではありません。
歌声と、言葉が伝わる力
評価点として挙がるのは、岡野昭仁さんの歌声と歌詞の組み合わせです。声の力強さだけでなく、言葉の内容が届くことを評価する感想が見られます。『THE FIRST TAKE』に対しても、歌唱とアレンジを通じて楽曲の良さを捉え直したという受け止め方がありました。
悲しさとリズムの両立
失恋の内容に対して曲が軽快に進むこと、その組み合わせを魅力として挙げる声もあります。歌詞だけ、メロディだけでなく、両者の釣り合いが印象を残しているようです。
シングル一枚を聴く楽しさ
CDレビューには、表題曲だけでなくカップリングを目当てに聴き直す人の声も見られました。「サウダージ」を入口にして一枚のCDへ進む楽しみは、配信で一曲ずつ聴く場合とは少し違います。
長く聴かれていることを示す資料としては、オリコンの2025年11月5日の発表があります。「サウダージ」は2025年11月10日付の週間ストリーミングランキングで累積再生数2億回を突破しました。これはYouTube単独の再生回数ではなく、オリコンのストリーミング集計による記録です。
この曲のまとめ
「サウダージ」の切なさは、別れたことだけにあるのではなさそうです。終わったと分かっている自分と、それでも好きでいる自分。そのどちらも置いていけないところに、胸が詰まるのだと思います。
ここまで読んでくださった方は、曲のどんな言葉が気になったでしょうか。きっぱりした言葉でしょうか。それとも、その奥に残る寂しさでしょうか。
恋は終わっても、好きだった時間まで消えるわけじゃない。
そんなふうに受け取ってから、もう一度この曲に戻ってみてください。忘れられない気持ちが、最初とは少し違って見えるかもしれません。
まずは一曲。その余韻のまま、『foo?』や『THE FIRST TAKE』へ。今日の気分に合う「サウダージ」を、見つけてもらえたらうれしいです😊
「サウダージ」に関するよくあるご質問
- Q.1「サウダージ」は何年の曲?
- A.1
2000年9月13日発売です。ポルノグラフィティの4枚目のシングルにあたります。
- Q.2タイトルはどういう意味?
- A.2
ポルトガル語の「saudade」に由来し、不在の人や過去を懐かしむ気持ち、その不在がもたらす悲しみなどを表す言葉です。
- Q.3作詞・作曲は誰?
- A.3
作詞はハルイチさんこと新藤晴一さん、作曲・編曲はak.hommaさんこと本間昭光さんです。
- Q.4どのアルバムに入っている?
- A.4
オリジナルアルバムは『foo?』です。「“D”tour style」というバージョンで収録されています。2024年のシングル集『ポルノグラフィティ全書 ~ALL TIME SINGLES~』にも入っています。
- Q.5『foo?』の音源はシングルと同じ?
- A.5
同じ表記ではありません。公式曲目では「サウダージ “D”tour style」となっており、アルバムバージョンとして区別されています。
- Q.6何の主題歌? アニメの曲?
- A.6
アニメ主題歌ではありません。TBS系「ワンダフル」内ミニドラマの主題歌で、大塚製薬「ポカリスエット」ミュージックリーグver.のCMソングにも使われました。
- Q.7歌詞の意味を短く言うと?
- A.7
当サイトでは、終わった恋を受け入れながら、恋をした自分とその記憶を守ろうとする歌、と読み解いています。作者が唯一の答えとして示した説明ではなく、記事の考察です。
- Q.8女性目線? それとも男性目線?
- A.8
女性の言葉遣いで進む歌ですが、新藤晴一さんは男性にもある恋愛への弱さを表現したかったと、発言掲載記事で伝えられています。語り口と感情の出どころを分けると理解しやすくなります。
- Q.9実話やモデルになった人はいる?
- A.9
今回確認した資料の範囲では、特定の人物や一つの実体験をモデルにしたという根拠は見つかっていません。
- Q.10ライブでも演奏される?
- A.10
2016年の横浜スタジアム公演、2021年の全国ツアーなどで演奏されています。公演によってアレンジやセットリスト上の位置は異なります。
- Q.11THE FIRST TAKEはいつ公開された?
- A.11
2021年9月3日です。第148回に出演し、特別アレンジで「サウダージ」を披露しました。
- Q.12どこで聴ける? CDでも聴ける?
- A.12
Amazon Musicなどの配信サービスや、シングルCD、収録アルバムで聴く選択肢があります。この曲を聴くの欄で、探し方と作品ごとの違いを紹介しています。
- Q.13ライブ映像はどの作品に入っている?
- A.13
『横浜ロマンスポルノ’16 ~THE WAY~ Live in YOKOHAMA STADIUM』に収録されています。DVD・Blu-rayの版と収録内容は各商品ページでご確認ください。
- Q.14発売当時も現在と同じ2人組だった?
- A.14
いいえ。発売当時は岡野昭仁さん、新藤晴一さん、Tamaさんの3人編成でした。
この曲が気になった方へ
歌詞の余韻や、失恋を抱えたまま前へ進む感覚に惹かれた方へ。サイト内の記事が増えた段階で、読後の気持ちが自然につながる名曲記事をここに紹介します。



