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小樽のひとよ|歌詞の意味・考察――東京の寒さから、あの人の手を思う

リリース日:
1967/9/25
年間売上枚数:
103.5万枚

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遠い街の雪を、ここで思う。
窓の向こうで、夜が深くなる。

こんにちは!かなひなです😊

寒い夜に、離れた場所にいる人のことを考える。今いる街の空気から、あの人の暮らす街へ気持ちが向かう。「小樽のひとよ」には、そんな距離の縮まり方があります。体は東京にいても、思いは小樽を離れていないんです。

思い出されるのは、街の景色だけではありません。別れた相手の指の冷たさが、語り手の手に残っています。遠い土地にいる人なのに、記憶の中では触れられるほど近い。この近さと遠さが、一つの歌の中にあるところに惹かれます。

鶴岡雅義と東京ロマンチカが、1967年に発表した一曲です。作詞は池田充男さん、作曲は鶴岡雅義さん。小樽と東京、今夜の寒さと二人の記憶をたどりながら、最後の約束がどう聞こえるのかを考えてみます。

『スター★デラックス』鶴岡雅義と東京ロマンチカ

小樽の一曲から、ロマンチカの歌へ

「小樽のひとよ」「旅路のひとよ」「君は心の妻だから」を収録

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鶴岡雅義と東京ロマンチカ
2013年2月20日発売
TECE-3147/アルバムCD
全20曲

テイチク時代のシングルA面を集めたベスト盤です。東京ロマンチカの曲に加え、トリオ・ロス・カバジェロス時代の「二人の世界」「赤いドレスの女」も収録。一曲から、歌と演奏の来歴へ関心を広げられます。

「小樽のひとよ」の基本情報

1967年の曲と、2013年の収録商品
曲名 小樽のひとよ
アーティスト 鶴岡雅義と東京ロマンチカ
発売日 1967年9月25日
作詞 池田充男
作曲 鶴岡雅義
編曲 —
収録作品 『スター★デラックス 鶴岡雅義と東京ロマンチカ』
シングル順 代表曲/紹介する収録盤は2013年のベスト盤
発売元・品番 テイチク/紹介する収録盤:TECE-3147

ラジオ日本の発売情報 / 歌ネットのクレジット / テイチクの収録盤

原曲の発売日は、ラジオ日本の公式放送曲目に掲載された1967年9月25日です。歌ネットに掲載された2009年9月23日は、同日発売のテイチク『ミリオンシリーズ』収録盤と対応する日付です。

ここで紹介する商品は、2013年2月20日発売の『スター★デラックス 鶴岡雅義と東京ロマンチカ』です。原曲のシングルとは別の、20曲入りのベスト盤です。

歌詞を読む

歌ネットで歌詞を読む ↗

歌詞の意味・解釈
離れた人が、手と寒さの中にいる

地名は二人を隔てます。でも、語り手が感じる冷たさは、その距離を越えて相手を思い出させます。

残された人ではなく、離れてきた人の歌

小樽に残った人を、東京から思っている語り手。ここで気になるのは、別れのあとにその土地へ残った人ではなく、離れてきた側が歌っていることです。離れたからといって、相手を思い出す気持ちまで置いてこられたわけではありません。

小樽の駅に残してきた相手を思うとき、語り手には、自分がそこを去ったという記憶もついてきます。会えない寂しさだけでなく、あの人を一人にしたことが心にある。私は、その向きが、この歌をただの遠い街への憧れとは違うものにしていると感じます。

相手が今どう暮らしているかは、語り手の目には見えていません。それでも忘れずにいることを伝えようとする。目の前にいない人へ向ける歌だから、言葉には、返事を待つような時間も残っている気がします。

景色より近く残る、指の冷たさ

二人で歩いた浜辺を思い出すところから、歌は別れのときの手の感覚へ近づきます。広い場所の記憶の中に、小さな指の冷たさがある。小樽という地名だけでは捉えきれない、一人の相手との時間が見えてきます。

私は、手に残る感覚という表し方に惹かれます。姿を思い浮かべるだけなら、相手は遠い風景の一部にもなります。でも、触れた冷たさが残っているなら、記憶は語り手の体の側にもある。離れた人のことが、自分の手の中から消えていないんです。

この冷たさは、相手の気持ちが冷めたことを示すものとしては読みません。二人は別れを悲しんでいます。触れられたときの記憶が、今は触れられない距離を際立たせる。その食い違いに、会いたさの深さを感じます。

東京の寒さが、小樽へ気持ちを運ぶ

語り手は東京の寒さを感じて、小樽にいる相手のことを考えます。二つの街の天気を比べて説明するというより、今ここで感じる冷たさから、遠くの人の体へ思いを向けているんですね。

私は、この想像に、会えない相手への気遣いを感じます。自分の寂しさを訴えるだけではなく、あの人も寒いだろうか、と考える。手の記憶と、今夜の空気がつながることで、会いたいという気持ちが、相手の暮らしを思う形になっています。

同じ場所にはいられない。でも、寒さを感じる体はお互いにある。地名が示す距離は消えないまま、感覚の側では相手へ近づける。この曲の小樽と東京は、遠さを数えるためだけの地名ではないように思います。

歌の終わりにあるのは、再会ではなく約束

最後に語り手は、相手のもとへ行くという思いを伝えます。それまで過去の二人を思い出していた歌が、これから会いに行く方向へ向き直る。私は、ここでようやく、記憶をたどる人が未来を語り始めると感じます。

ただ、その場で二人が再会するわけではありません。相手に待ってもらう時間は残ります。安心させたい気持ちと、まだ会えていない現実が重なるから、約束だけで寂しさがすべて消えるようには聞こえないんです。

この終わり方があるので、歌を読んだあとにも、東京にいる語り手と小樽にいる相手の両方が気になります。戻ろうとする人の決意を受け取りながら、待つ人にはどんな夜があるのだろう、と考えたくなる歌です。

三條正人さんが語った、力を抜くこと

2012年10月6日の文化放送『団塊倶楽部』では、東京ロマンチカが公開ライブに出演しました。放送後記には、三條正人さんが、ムード歌謡を歌ううえで、力を抜けるようになることの大切さを話したと記されています。本曲を演奏したことも、放送曲目で分かります。2012年10月6日の公開ライブと放送後記。

この考え方を知ると、私は、会いたい思いの強さと、歌う力の強さを同じものにしなくてもよい、と感じます。相手へ届いてほしい言葉だからこそ、押しつけるように歌うだけが道ではない。手の記憶や寒さを語る部分を、どんな力加減で伝えるのかに注目したくなります。

歌い手の言葉を知る

三條正人さんが語った、歌うときの力加減

文化放送『団塊倶楽部』の2012年10月6日の放送後記。石川真紀さんが、三條正人さんのムード歌謡の歌い方についての発言を記録しています。文化放送の放送後記を読む ↗。

この曲を聴く
歌詞の距離と、ロマンチカの歌をたどる

本曲を収めたベスト盤、歌詞、歌い手の回想を選べます。ほかの収録曲に関心がある方は、テイチクの曲目もご覧ください。

BEST ALBUM / 2013

小樽から、旅路や北国の歌へ

本曲と「君は心の妻だから」などを含む、20曲入りのベスト盤です。

LYRICS

今いる場所と、思い出の場所を読む

小樽と東京、二人の過去とこれからの約束を、歌詞全体でたどれます。

SINGER’S WORDS

三條正人さんの歌い方の話へ

文化放送の放送後記に、ムード歌謡を歌うときの考え方が記されています。

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YouTubeで「小樽のひとよ」を探す

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作曲者のレキントギターと、歌い継ぐステージへ

歌の言葉に惹かれたら、作曲した人が演奏する姿にも関心を向けてみませんか。

レキントギターと、別の歌い手との出会い

日本作曲家協会の2015年音楽祭では、本曲を題材に鶴岡雅義さんが思いを語る企画がありました。歌ったのは、はやぶさの3人。鶴岡さん自身によるレキントギターの演奏も披露されています。歌う人が変わっても、作曲した人の演奏と曲が出会う舞台だったんですね。音楽祭の公式開催記録。

鶴岡さんのレキントギターへ関心を持ったら、歌の言葉だけでなく、楽器が伝える旋律にも注意を向けてみてください。人を思う物語に、歌声とギターの両方が関わる。作詞・作曲の名前を確かめたあと、その人が演奏する姿へ進む楽しみもあります。

一曲の記憶から、ベスト盤の広がりへ

代表曲だけを覚えていたなら、収録盤の選び方から、グループのほかの歌へ進めます。

ロマンチカ以前の歌も含む20曲

テイチクは『スター★デラックス』を、テイチク時代のシングルA面を集め、トリオ・ロス・カバジェロス時代の曲も収めたベスト盤として紹介しています。本曲のほかに「旅路のひとよ」「北国の町」などが並びます。レーベルのベスト盤紹介。

「小樽のひとよ」の、遠い人を思う気持ちに惹かれたなら、題名に旅や北国のある曲へ進んでみるのもよさそうです。同じグループが、別の場所や別れにどんな言葉を選ぶのか。一曲の印象を出発点にして、聴く範囲を広げられます。

同じ題名でも、録音の版を選べる

別のベスト盤、ソニーミュージックの2010年『GOLDEN☆BEST』では、本曲に1972年再録音の注記があります。題名と歌手が同じでも、商品によって案内される録音は一つではありません。再録音の注記がある公式曲目。

昔覚えた歌を探すときも、別の時期の歌へ興味を広げるときも、曲目の注記が役に立ちます。この記事で紹介する購入商品は、テイチクの2013年『スター★デラックス』です。盤を選ぶときは、歌手名に加えてアルバム名も確かめてみてください。

この曲のまとめ

「小樽のひとよ」で私に残るのは、地名の遠さと、手の記憶の近さです。東京にいる語り手は、小樽の相手に今すぐ触れられない。でも、触れたときの冷たさまで失ったわけではありません。

次に聴くときは、今夜の寒さから、相手を思う気持ちへ移るところに注目してみてください。そして、最後の約束を、待つ人の側からも受け取ってみる。遠い街への歌が、一人の人へ向けた歌として、もう少し近づいてくる気がします。

「小樽のひとよ」に関するよくあるご質問

Q.1
「小樽のひとよ」を歌っているのは?
A.1

鶴岡雅義と東京ロマンチカです。三條正人さんは、このグループの歌い手として、文化放送の公開ライブにも出演しています。

Q.2
原曲の発売日は?
A.2

1967年9月25日です。ラジオ日本の公式放送曲目に掲載されています。

Q.3
作詞・作曲は誰?
A.3

作詞は池田充男さん、作曲は鶴岡雅義さんです。歌ネットのクレジットでも確認できます。

Q.4
歌ネットにある2009年の発売日は?
A.4

2009年9月23日は、テイチクの『ミリオンシリーズ』収録盤と同じ発売日です。原曲の1967年とは区別してご覧ください。

Q.5
歌の語り手は小樽にいる?
A.5

現在は東京にいて、小樽に残した相手を思っています。離れてきた側から、会いたさと別れの記憶を語る歌です。

Q.6
塩谷の浜辺は、どんな場面で出てくる?
A.6

二人で歩いた場所として思い出されます。街の記憶から、別れた相手の手の感覚へ近づいていくところが、私は印象に残ります。

Q.7
指の冷たさは、相手の気持ちが冷めた意味?
A.7

私は、二人が別れを悲しむ中での、触れた感覚の記憶として読みます。遠い人なのに、手の記憶では近くにいることが、会いたさを際立たせます。

Q.8
東京の寒さから、なぜ小樽を思う?
A.8

自分が寒さを感じることで、遠くにいる相手も寒いだろうかと気遣う場面です。私は、今の体の感覚が、相手の暮らしへ思いを運ぶところに惹かれます。

Q.9
歌の最後に二人は再会する?
A.9

最後は、語り手が会いに行くという思いを伝えるところです。再会そのものではなく、相手に待ってもらう約束が残ります。

Q.10
三條正人さんの歌唱の考え方は?
A.10

文化放送の2012年10月6日の放送後記では、ムード歌謡を歌う際、力を抜けるようになることの大切さを語ったと記されています。

Q.11
鶴岡雅義さんのレキントギターを演奏した記録は?
A.11

日本作曲家協会の2015年音楽祭で、本曲を題材にした企画に出演し、本人がレキントギターを演奏しています。歌唱は、はやぶさの3人によるものでした。

Q.12
紹介しているAmazon商品は何?
A.12

2013年2月20日発売、TECE-3147の『スター★デラックス 鶴岡雅義と東京ロマンチカ』です。本曲を含む20曲入りのベスト盤です。

Q.13
同じ歌の再録音もある?
A.13

ソニーミュージックの2010年『GOLDEN☆BEST』には、本曲に1972年再録音の注記があります。この記事の購入商品は、それとは別のテイチクの2013年盤です。

この曲が気になった方へ

離れた人への思いや、手に残る記憶を描く別の歌へ。