浜崎あゆみ「monochrome」の歌詞の意味を考察|夏の色を遠ざける人が、本当に望んだ幸福
- リリース日:
- 1999/8/11
- 推定売上枚数:
- 163.1万枚
淡い夏に、ほどけた輪郭。
色の向こうで、眠らない余韻。
こんにちは!かなひなです😊
浜崎あゆみさんの「monochrome」には、夏の鮮やかさと、その色から距離を取りたい人の心が並んでいます。季節の明るさが、そのまま語り手の明るさになるわけではありません。外の景色が夏らしくなるほど、そばにいない相手の記憶が濃くなるように感じます。
語り手が欲しかった幸福も、きれいなおとぎ話の結末とは違います。特別な役を与えられるより、相手と一緒にいる自分でありたい。その願いを知ると、題名の色の少なさは、冷たい心というより、鮮やかな記憶から身を守ろうとする視線にも見えてきます。
1999年8月11日発売のシングル『A』に収録され、浜崎あゆみさんが作詞、D・A・Iさんが作曲した一曲です。『A』には四つの歌がありますが、この記事では「monochrome」へ耳を向けます。夏の色、童話との距離、自分を支える言葉から、その心を読んでみます。
「monochrome」収録シングル『A』
「monochrome」の基本情報
| 曲名 | monochrome |
|---|---|
| アーティスト | 浜崎あゆみ |
| 発売日 | 1999年8月11日 |
| 作詞 | 浜崎あゆみ |
| 作曲 | D・A・I |
| 編曲 | 鈴木直人、D・A・I(2012年『A SUMMER BEST』収録スタジオ音源の表記) |
| 収録作品 | 『A(monochrome収録)』 |
| シングル順 | シングル「A」収録曲 |
| 発売元・品番 | 紹介CD:AVCD-30050 |
| タイアップ | JT「桃の天然水」CMソング |
初出・収録作品:浜崎あゆみ公式『A』。作詞作曲・原詞・CM:歌ネット。スタジオ音源の編曲表記:『A SUMMER BEST』商品クレジット。
購入案内は1999年発売の『A』です。「monochrome」一曲だけのCDではなく、4曲とリミックス・インストゥルメンタルを収めた14曲入りシングルです。
下の聴き方カードは、avex traxがYouTubeへ提供した『A』収録音源への案内です。2016年のYouTube公開と、1999年の原曲発売を分けています。MVやライブ映像ではありません。
「monochrome」は何の主題歌?
JT「桃の天然水」CMソング
CMから思い出す方にも、夏の景色の中に残る一人の記憶を持つ歌として戻れる曲です。
夏の印象と、語り手の気持ちは同じではない
歌ネットの本曲ページは、JT「桃の天然水」とのタイアップを掲載しています。夏の季節感を持つ歌ですが、歌詞の語り手は、目の前の鮮やかさをそのまま楽しんでいるのではありません。相手の記憶と、今の景色との間に距離があります。本曲のタイアップ・原詞情報
明るい季節を背景にしても、心まで同じ色になるとは限らない。その違いに注目すると、夏の曲であることと、別れた相手を思う切なさは、矛盾しないように感じます。季節が戻るたびに一人の人を思い出す歌として、題名を受け取ってみたいです。
「monochrome」の歌詞
歌詞の意味・解釈
色を減らしたい心と、消せない相手の記憶
題名だけなら、色のない世界を歌っているようにも見えます。けれど原詞には夏の鮮やかさがあり、語り手の方が、その色から距離を取ろうとします。
夏の色から、自分で距離を取ろうとする
夏を感じる空や風は、語り手に相手の記憶を連れてきます。季節そのものは、失った関係を待ってくれません。いつものように夏らしい景色が戻る中で、相手だけが同じ場所にいない。その違いが、語り手の心を揺らしているようです。
そこで語り手は、サングラスを探します。外の世界が最初から色を失っているのではなく、自分の側から、景色の鮮やかさを減らそうとしている。題名のモノクロームは、何も感じない状態というより、感じすぎてしまう自分を守るための視線にも見えます。
私は、思い出を消すことと、今見える景色を暗くすることの違いに惹かれます。目に入る色を少なくできても、季節が呼び起こす相手の横顔まで消せるとは限りません。外へ向ける視線を変えようとするほど、内側に残る記憶の濃さが伝わってくる気がします。
童話の主役より、相手といる自分になりたかった
この歌には、童話の幸福を思わせる人物や小道具が登場します。けれど語り手は、それらを自分の望みとして受け取りません。誰かに選ばれて、特別な役へ変わることより、その相手と一緒にいる自分でありたい。その差が、恋を華やかな成功の物語から離していると思います。
相手に求めるものも、外から分かる地位や形ではありません。望んでいるのは、相手が心から笑っていることです。飾りの多い幸福でなく、その人がどのような顔で自分のそばにいるかを大切にしている。語り手の願いは、二人の間の時間に向かっています。
だからこそ、終わった関係を夢のように感じても、その願いまで嘘だったとは言い切れないのでしょう。私は、物語が続かなかったことと、相手のそばにいたかった気持ちを分けて読みます。童話の結末を望まなかった人にも、一人の人との幸福は確かに欲しかった。その輪郭が、この歌には残っています。
再会の条件と、自分を支える言葉の揺れ
語り手は、いつかまた相手と出会う可能性にも思いを向けます。ただ、その再会は、すでに約束された出来事ではありません。二人で語った運命が本当にあるなら、という条件を持っています。願いは残っていても、未来を確かなものとして語れないところに、別れの後の心が見えます。
自分は平気だと確かめるようなふるまいにも、その揺れを感じます。ここまでの記憶や、色を遠ざけようとする姿を読むと、何も痛んでいない人の報告には聞こえません。つらさが残るからこそ、言葉にして自分を支えようとしている、と私は受け取ります。
強い心を持っていることと、弱さを見せまいとすることは、同じではないのでしょう。歌は、語り手がどちらなのかを一言で片づけずに聴けます。相手を思い出す自分と、そこから歩いていこうとする自分。その二つが重なっているところに、この曲の余韻を感じます。
この曲を聴く
原音源、アカペラ、舞台の記録を分けて
『A』のCDとレーベル提供音源、公式アカペラ、2000年公演のDVDを案内します。同じ題名でも、音源の形と歌った時期が異なります。
SINGLE CD / 1999
「monochrome」収録シングル『A』
1999年8月11日発売、AVCD-30050。4曲の主曲とリミックス・インストゥルメンタルを収録するCDです。
LABEL-PROVIDED AUDIO
『A』収録の「monochrome」
avex traxが提供した単曲音源です。YouTube公開は2016年で、原曲の発売は1999年です。
CONCERT RECORD / 2000
『concert tour 2000 A 第1幕』DVD
2000年の公演に本曲を収録。公式欄には、2000年9月発売のDVDと2006年3月の再発DVDが掲載されています。
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ライブでの「monochrome」
本曲の舞台の記録には、2000年の公演と、2020年の無観客オンラインライブがあります。作品を発売した年だけではなく、後年にどの場へ戻ってきたかもたどれます。
2000年の記録と、2020年の無観客の舞台
公式の『concert tour 2000 A 第1幕』には、本曲の歌唱が収録されています。2000年9月27日発売のDVDと、2006年3月1日の再発DVDが掲載されていますが、公演の年は2000年です。再発盤でも、2000年の歌唱へ戻れる作品です。2000年公演の公式DVD情報
2020年12月25日発売の『BEST LIVE BOX A』は、その2000年の記録に加え、同年7月25日の無観客オンラインライブ『夏ノトラブル』も収めています。公式解説は本曲について、それまでライブではほとんど披露されてこなかった歌として紹介しています。2000年の記録と並べると、二十年を隔てた夏の舞台へ戻れます。公式BOXの紹介・収録情報
原曲を覚えている人にとっても、同じ歌が違う年の舞台にあることは、戻る入口になります。観客のいる公演の記録と、無観客で届けられた後年の歌唱。声や演出を一つの印象にまとめず、時期を分けて見比べたい一曲です。
口コミ・評価では、何が注目されている?
公式サイトに掲載された夏の作品への評論と、音源の異なる形から、この曲を聴き直す入口を考えます。
公式の評論が結びつける、あの夏の記憶
2015年の『sixxxxxx』特設ページに掲載された評論は、1999年の『A』を、表題曲を持たない夏仕様の作品として説明しています。その中で「monochrome」は、聴くとある夏を思い出す歌の一例に挙げられています。本人の制作発言ではなく、作品を捉える評論の視点です。公式サイト掲載の評論
明るい思い出だけを残すことが、夏の歌の役目ではないのでしょう。この曲の語り手には、景色から距離を取りたい気持ちもあります。私は、季節の色と心の色がずれているからこそ、聴く人にも、自分の過ごした夏を重ねる余地があるように感じます。
同じ言葉へ、音源の形を変えて戻る
『A』の公式収録欄には、本曲の通常音源だけでなく、Keith Litmanのリミックス、別のリミックス、インストゥルメンタルが並びます。また、公式チャンネルには「Acappella」と題した公開音源もあります。一つの歌を、異なる形で聴く入口が残されています。『A』の公式収録情報/公式アカペラ
通常音源で歌全体へ戻り、アカペラで歌声を中心にした形へ戻る。その往復では、同じ題名や言葉でも、何へ意識を向けるかが変わります。歌詞の心を読んだ後に、もう一度音源を選び直せることも、この曲を聴き続ける楽しみの一つだと思います。
この曲のまとめ
「monochrome」の語り手は、最初から色のない世界にいるのではありません。夏の鮮やかさが相手の記憶を連れてくるため、自分の側から、その色と距離を取ろうとしています。題名の静かな印象の内側に、忘れられない人の姿が残っているように感じます。
望んでいたのは、特別な役より、その人といる自分。
童話の幸福を退ける言葉を、その願いと並べると、恋の終わりが、ただ華やかな夢から目覚めたという話だけではなくなります。関係が続かなかった後にも、何が欲しかったかは、はっきりと残っています。
もう一度聴く時は、季節の色と、語り手が見る景色の差に耳を向けてみてください。未来の再会を条件付きで思いながら、自分を支える言葉も持つ。その揺れを消さずに聴くと、強さだけでは言い切れない、この歌の心へ近づけそうです🕶️
YouTubeでレーベル提供音源を聴く ↗。avex trax提供の『A』収録音源です。1999年発売、2016年YouTube公開で、MVやライブ映像ではありません。
「monochrome」に関するよくあるご質問
- Q.1「monochrome」の初出はいつ?
- A.1
1999年8月11日発売のシングル『A』です。公式品番はAVCD-30050で、本曲のほか三つの主曲を収めています。
- Q.2「A」は一曲の題名?
- A.2
CDシングルの名称です。「monochrome」「too late」「Trauma」「End roll」とリミックス・インストゥルメンタルを収録しています。この記事は「monochrome」一曲を扱っています。
- Q.3作詞・作曲は誰?
- A.3
浜崎あゆみさんが作詞、D・A・Iさんが作曲しています。
- Q.4歌詞の意味を短くいうと?
- A.4
鮮やかな夏の景色から距離を取りながら、相手と一緒にいたかった自分を思い返す心として読んでいます。再会への願いと、自分を支える言葉の揺れにも注目しました。
- Q.5モノクロームは、心が冷めたという意味?
- A.5
この記事では、記憶を呼び起こす色から自分を守ろうとする視線として考察しました。相手を何とも思わなくなった人として、一つに決めてはいません。
- Q.6童話のモチーフは、何と対比されている?
- A.6
特別な役や飾りより、相手と一緒にいる自分、相手の心からの笑顔を望む気持ちと対比されていると読んでいます。
- Q.7再会が約束されている歌?
- A.7
語り手は、二人で話した運命があるならという条件の下で再会を思っています。確定した未来の報告ではなく、別れた後にも残る願いとして読みました。
- Q.8CMのタイアップは?
- A.8
歌ネットの本曲ページは、JT「桃の天然水」とのタイアップを掲載しています。
- Q.9どのアルバムに収録されている?
- A.9
1999年11月10日発売の『LOVEppears』にも収録されています。2008年9月10日のシングル集『A COMPLETE ~ALL SINGLES~』でも聴けます。
- Q.10案内しているYouTube音源は公式MV?
- A.10
avex traxがYouTubeへ提供した『A』収録音源です。MVやライブ映像ではありません。2016年6月24日の公開と、1999年の原曲発売を分けています。
- Q.112006年のDVDは、新しいライブ?
- A.11
公式に掲載される2006年3月1日のDVDは、2000年の『concert tour 2000 A 第1幕』を収めた再発です。2020年の『夏ノトラブル』は別の無観客オンラインライブです。
この曲が気になった方へ
季節とともに相手を思い出す、別の歌へ。


