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THE YELLOW MONKEY「JAM」の歌詞の意味を考察|遠い悲劇の夜、会いたい人を思う

リリース日:
1996/2/29
推定売上枚数:
84.2万枚

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テレビを消しても、さっきのニュースが頭から離れない。
そんな夜に、思い浮かべる顔がある。

こんにちは!かなひなです😊

今回は、THE YELLOW MONKEYの「JAM」です。この曲といえば、ニュースの場面がまず浮かぶ方もいると思います。確かに、あそこは簡単に忘れられないですよね。

ただ、「社会への怒りを歌った名曲」と説明して終わるのは、ちょっともったいない気がします。あんなに大きな出来事を前にした歌が、最後には、大切な人に会いたいという身近な気持ちへ戻ってくる。その流れがどうにも気になるんです。

何か正しいことを言わなきゃ、と思っても言葉にならない。そんなとき、立派な答えより、知っている人の声が欲しくなることはあると思います。「JAM」の主人公にも、その頼りなさを重ねて読んでみたくなります。

THE YELLOW MONKEYは、吉井和哉さん、菊地英昭さん、廣瀬洋一さん、菊地英二さんの四人組。「JAM」は1996年2月29日、「Tactics」との両A面で発売された9枚目のシングルです。作詞・作曲は吉井和哉さんが手がけています。

ここでは、ニュースの場面だけでなく、そこへ至るまでの心の揺れや、最後に残る気持ちまでたどります。解散後に一曲だけ演奏された夜、再集結した年の紅白も、合わせて見ていきましょう。

なお、上で紹介している2017年のベストは全曲新録盤です。昔の「JAM」と同じ録音ではないので、アルバムを選ぶときはここもチェックしてみてください。

『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』

再集結後の四人が、もう一度録音した「JAM」

昔の音源を集めたベストではなく、全16曲を新たに演奏した一枚

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THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BESTのアルバムジャケット

THE YELLOW MONKEY
2017年5月21日発売
「JAM」を新録版で収録
全16曲を新たにレコーディング

「太陽が燃えている」「SPARK」などの代表曲を、再集結後の四人が録音し直したベストです。「JAM」も1996年のシングル音源とは別の演奏で聴けます。新録盤の公式案内

「JAM」の基本情報

1996年の両A面シングル発売時の情報を中心に掲載
曲名 JAM
アーティスト THE YELLOW MONKEY
発売日 1996年2月29日
作詞 吉井和哉
作曲 吉井和哉
編曲 THE YELLOW MONKEY
収録作品 『JAM/Tactics』
シングル順 9thシングル
発売元・品番 CODA-834
タイアップ 両A面「Tactics」はテレビアニメ『るろうに剣心』エンディングテーマ

発売日・収録曲・規格番号:THE YELLOW MONKEY公式ディスコグラフィ。作詞・作曲・編曲:歌ネット作品情報。配信ベストでの位置づけ:公式ニュース。

「JAM」と「Tactics」の両A面シングル。各曲のカラオケを含む全4トラックです。

発売当時のオリジナルアルバムには入っていない曲です。収録作品を探すならベスト盤が入口になりますが、1996年の音源と2017年の新録版は分けて選びたいところです。公式の収録作品一覧

「JAM」は何の主題歌?
ドラマ・映画・アニメ・CMとの関係

「JAM」は、同じシングルに入っている「Tactics」と、タイアップ情報が混ざりやすい曲です。アニメ『るろうに剣心』のエンディングテーマは「Tactics」のほう。曲を探しているときは、ここを分けておくと迷いません。

アニメ主題歌は、両A面の「Tactics」

歌ネットの作品情報にも、「Tactics」がアニメのエンディングテーマだと記載されています。両A面は、二曲それぞれが表題曲ということ。同じCDに入っていても、使われた番組まで同じとは限らないんですね。

「JAM」の歌詞

歌ネットで歌詞を読む ↗

歌詞の意味・解釈
ニュースに言葉をなくしたあと、なぜ誰かに会いたくなるのか

眠れない部屋からニュースの向こうへ視線が移り、最後に身近な人へ戻る流れをたどります。

ひとりの部屋に、外の世界が入ってくる

「JAM」は、最初から社会について意見を述べる歌ではありません。まず見えるのは、眠れずにいる一人の人です。ここが、この曲を読むうえで大事だと思います。

テレビの向こうでは、次々に何かが起きている。こちらは部屋の中にいるだけなのに、見聞きしたことが頭に残ってしまう。安全な場所に帰ってきたはずなのに、気持ちまでは休まらない。そんな夜として読むと、主人公がぐっと身近になります。

あとに出てくるニュースの場面も、この一人の夜の続きです。強い言葉だけを切り取ると世の中を責める歌に見えますが、部屋にいる人の気持ちを追うと、責める前に傷ついてしまった歌にも聞こえてきます。

あのニュースの場面で、何に傷つくのか

外国で起きた事故の報道で、日本人の安否に話が移る。情報としては必要なことでも、その伝わり方に主人公は引っかかります。国籍が違えば、悲しむ距離まで変わってしまうのか、と。

ここで気になるのは、主人公がすぐに正しい答えを言わないことです。報道を批判するだけなら、もっと分かりやすく怒って終われる。でも「JAM」は、どう受け止めればいいのか分からない人を、そこに残します。

たとえば、遠い場所の出来事を見て胸が痛んだのに、次の瞬間には自分の明日の予定を考えている。そんな自分を、冷たい、と簡単に片づけられるでしょうか。私はこの場面に、誰かを責めようとすると自分にも問いが戻ってくるような、居心地の悪さを感じます。

他人を責めるだけでは、終われない

歌の途中では、まったく違う評価を受けている人たちが、子どもだった頃へいったん戻されます。肩書きや、成し遂げたことや、犯してしまったこと。その前には、まだ何者でもなかった時間がある。

だから何をしても許される、という話ではないと思います。ただ、悪い人を自分とは別の種類の人間にしてしまえば、こちらは安全な場所から眺められる。その距離の取り方を、この歌は少し難しくするんですよね。

ニュースの向こうにも、自分と地続きの人がいる。そう考えると、悲劇を分かったつもりで見終えることができなくなります。短い場面ですが、ここを通ってから事故の報道へ進むことで、主人公の戸惑いにも重さが増すように感じます。

甘い名前なのに、落ち着かない「JAM」

題名だけを見れば、食卓にある甘いジャムを思い浮かべます。でも曲の中では、世界を食べ物のように扱う、不穏なイメージと結びつく。この落差は、ずいぶん嫌な感じがします。

誰かにとっての暮らしや命を、別の誰かが都合よく扱ってしまう。その怖さを重ねる読み方もできそうです。甘くて身近なものが急によそよそしく見えるから、政治や社会の難しい言葉で説明されるより、引っかかりが残るのかもしれません。

題名は、甘く身近な食べ物と、歌の中の不穏なイメージを同時に思わせます。どちらか一つへ決めずに読むと、落差そのものが残ります。

少し話がそれますが、2024年には公式から本物のいちごジャムも発売されました。この曲から食べ物の商品が出るとは。重い歌をずっと重い顔のまま扱わない、その遊び心には、ちょっと頬がゆるみます。

2024年の公式企画

MVをヒントに作られた、三種類のジャム

公式の発売案内は、吉井和哉さんがディレクションしたMVに登場する赤いジャムを、商品の着想元として紹介しています。楽曲の題名の由来を説明した発言とは区別して読んでいます。公式の企画紹介を読む

大切な人に会いたい。それが急に切実になる

この曲で、私はここにいちばん立ち止まってしまいます。世界の悲劇について考えていたはずなのに、最後に強くなるのは、大切な人に会いたいという気持ち。話が急に小さくなったようで、むしろ切実さが増している気がするんです。

つらいニュースを見たあと、どうしていいか分からず、誰かの声を聞きたくなる。そんな場面を思い浮かべると、少し分かる気がします。解説が欲しいのでも、正解を教えてほしいのでもなく、ひとりで受け止めきれないから、そばにいてほしい。

会えたところで、遠くで起きた悲劇が取り消されるわけではありません。それでも会いたい。そのどうにもならなさを飛ばさずに残しているところが、「JAM」の好きなところです。

恋の歌として受け取ることもできます。でも、相手を誰と決めるかより、主人公にとって顔を思い浮かべられる人がいることが大きいのだと思います。遠い場所の命に揺さぶられて、身近な人の存在まで、いつもとは違って感じられる。二つの話は、そこでつながります。

答えが出ないまま、明日になる

最後までたどっても、主人公は世の中の矛盾を解決していません。立ち直った、強くなった、と言い切れる終わり方でもない。それなのに、歌は投げ出された感じがしないんですよね。

会いたい人のことを思いながら、次の日を待っている。確かなのは、そのくらいです。ここへ「だから希望の歌です」とすぐに名前を付けると、まだ残っている不安まで片づけてしまう気がします。

その人に会えたかどうかも、歌の中では分からない。だから私は、すっきりした気持ちでこの主人公と別れられません。あの部屋で、まだ誰かを思っている。その姿が残ります。

この曲を聴く
発売当時の音源と、再集結後の新録版を聴き分ける

「JAM」は同じ曲名でも、選ぶ作品によって録音が違います。発売時の組み合わせをたどるならシングル「JAM/Tactics」。四人がもう一度演奏した版に触れたいなら、2017年の新録ベストです。

9TH SINGLE

『JAM/Tactics』

1996年2月29日発売。二つの表題曲と各カラオケを収録しています。

NEW BEST

『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』

2017年5月21日発売の全曲新録盤です。「JAM」も1996年のシングル音源とは別の演奏で収録しています。

STREAMING BEST

『30Years 30Hits』

「JAM」から始まる代表曲30選。2022年のリマスター音源による配信ベストで、2017年の全曲新録盤とは別の作品です。

OFFICIAL VIDEO

「JAM」公式MV

THE YELLOW MONKEY公式YouTubeチャンネルで公開されているミュージックビデオです。

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公式動画で「JAM」に出会う

THE YELLOW MONKEY公式チャンネルのMVです。題名のところで触れたジャムのイメージも、こちらで見られます。言葉から想像した「JAM」と、映像が見せる「JAM」。同じ曲でも、気になるところが変わるかもしれません。

MVのディレクションは吉井和哉さん。公式の2024年ジャム企画でも、この映像とのつながりが紹介されています。

ライブでの「JAM」

ライブの記録をたどると、「JAM」が歌われた日の事情にも目が留まります。一度は別れた四人が、また同じ曲を演奏する。その前後を知ると、曲名がセットリストにあるだけでも、少し受け止め方が変わります。

2004年、解散後の東京ドームで残した一曲

2004年12月26日、東京ドームで開かれた展覧会の最終日。解散を発表していた四人は黒い服でステージへ上がり、何も語らず「JAM」一曲だけを演奏しました。公式の「メカラ ウロコ」史

演奏されたのは、一曲だけ。その記録には、思わず立ち止まります。解散後の四人が、説明の言葉を添えずに残したのが「JAM」だった。

歌の中にも、うまく言葉にできないまま誰かを思う人がいます。そう考えると、この日の一曲も、言葉の代わりに差し出された挨拶のように感じられます。選曲の意図とは別に、ここにはそんな思いを重ねてしまいます。

2016年の紅白、再集結の年に歌った「JAM」

再集結した2016年、THE YELLOW MONKEYはNHK紅白歌合戦に初出場し、「JAM」を歌いました。発売から20年を迎えた年のことです。ワーナーミュージックの公式プロフィール

2004年の一曲だけの演奏を知ってから、この記録に戻ると、紅白初出場という華やかな出来事の見え方も少し変わります。一度は別々の道へ進んだ四人が、ふたたび一緒に「JAM」を歌っている。

昔の曲がもう一度テレビで流れた、だけでは片づけたくないんですよね。曲を聴けることと、その四人がそろって演奏していることは、やっぱり同じではない。ここで重ねたくなるのは、歌の物語と、バンド自身が過ごしてきた時間の両方です。

2024年、客席の声を受け取る四人の姿

2024年の東京ドーム公演『SHINE ON』でも演奏されました。公式の舞台裏解説は、合唱の前に吉井和哉さんが耳のモニターを外す場面と、ほかの三人が客席を見ながら演奏する場面を挙げています。公式の公演解説を読む

この紹介で惹かれるのは、歌う人だけでなく、受け取る側にも目が向くことです。客席も歌い、ステージの四人がそちらを見ている。「盛り上がった」の一言で通り過ぎずに、映像で確かめたくなる場面ですね。

ファン投票・音楽メディア・公式選曲から見る「JAM」の評価

ファン投票、音楽ライターの分析、公式ベストという三つの入口から、もう一度聴きたいポイントを見ます。

2013年のファン投票では2位に

ファン選曲ベストの投票結果を伝えたrockinon.comによると、企画には延べ約2万5千の投稿が集まり、「JAM」は2位でした。1位の「バラ色の日々」と最後まで僅差だったと報じられています。2013年の投票結果

この投票が行われたのは、再集結する前の2013年です。バンドが活動していない時期にも、聴きたい曲として選ばれていた。そのことも含めて、印象に残る結果です。

歌詞だけでなく、音の動きにも注目したい

音楽ライターの黒田隆憲さんはReal Soundの楽曲分析で、繰り返される下降するベースの動きと、サビで変化するコード進行に注目しています。言葉の意味だけではない、曲の作りからの評価です。黒田隆憲さんの分析を読む

難しい用語を全部覚えなくても、次は歌の後ろで動いている低い音に耳を向けてみる。それだけでも、歌詞を追っていたときとは違う聴き方ができそうです。

公式の代表曲30選にも選ばれた曲

2022年の配信ベスト『30Years 30Hits』で、公式は「JAM」をバンドの代名詞と紹介しています。この一曲から、ほかにはどんな曲があるのだろう、と聴き進める入口にもよさそうです。配信ベストの公式案内

この曲のまとめ

「JAM」について考えていると、ニュースに傷ついた主人公が、最後まで立派な答えを持てないことに戻ってきます。怒りたい。けれど、自分もそんなに立派ではない。誰かに会いたい。でも、会えば全部解決するわけでもない。

それでも、会いたいと思う人がいる。
私は、その気持ちが残るところに惹かれます。大きな出来事を前にした人間の頼りなさが、きれいに取り繕われていないんですよね。

ニュースの場面が強く印象に残っている方も、よかったら最初の部屋の場面から、もう一度たどってみてください。そこから最後まで、一人の人の気持ちが続いています。公式MVで触れ直すのも、1996年の音源と再集結後の新録版を聴き比べるのもよさそうです。

「JAM」に関するよくあるご質問

Q.1
「JAM」は何年の曲?
A.1

1996年2月29日に発売された曲です。

Q.2
何枚目のシングル?
A.2

THE YELLOW MONKEYの9枚目のシングルです。「Tactics」との両A面で発売されました。

Q.3
作詞・作曲は誰?
A.3

作詞・作曲は吉井和哉さん、編曲はTHE YELLOW MONKEYです。

Q.4
歌詞の意味を短くいうと?
A.4

世の中の出来事に傷ついた人が、答えの出ないまま大切な人を思う歌、と読むことができます。社会への問いと、誰かに会いたい気持ちがつながるところが、この記事で注目した点です。

Q.5
JAMという題名の意味は?
A.5

身近な甘い食べ物と、歌の中の不穏なイメージが重なる題名として読めます。

Q.6
誰目線の歌?
A.6

暗い部屋でニュースを見て傷つき、答えを持たないまま大切な人を思う人の目線です。

Q.7
アニメ『るろうに剣心』の曲?
A.7

同じ両A面シングルの「Tactics」がエンディングテーマです。「JAM」ではありません。

Q.8
どのアルバムに入っている?
A.8

『TRIAD YEARS act I』などのベスト盤で聴けます。この記事で紹介している2017年の『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』は新録版なので、発売当時の音源とは区別してください。

Q.9
「JAM」の発売28年を記念したジャムがあったの?
A.9

はい。2024年にメンバープロデュースのジャムが発売されました。公式案内では、MVに登場する赤いジャムを着想元として紹介しています。現在の販売状況を案内するものではありません。

Q.10
両A面のもう一曲は?
A.10

「Tactics」です。シングルには両曲のカラオケも収録されています。

Q.11
公式MVはある?
A.11

はい。THE YELLOW MONKEY公式YouTubeチャンネルで公開されています。

Q.12
どんなライブや番組で歌われた?
A.12

2004年の東京ドームでの一曲だけの演奏、2016年のNHK紅白歌合戦、2024年の東京ドーム公演などの記録があります。

この曲が気になった方へ

社会の痛みと個人的な愛を同時に歌う曲、答えのない夜に明日を待つ曲、人間の弱さを隠さない名曲へつなぎます。