ビリー・バンバン「さよならをするために」歌詞の意味・考察|今の親密さと、手放したい過去
- リリース日:
- 1972年
- 推定売上枚数:
- 66.7万枚
そばにいても、過去は残る。
別れたいのは、その記憶か。
こんにちは!かなひなです😊
今、大切な人がそばにいる。それでも、以前の恋の記憶まで消えるわけではない。ビリー・バンバン「さよならをするために」は、そんな現在と過去の重なりを、簡単にはほどけないものとして感じさせます。題名だけなら、相手との関係を終わらせる歌にも見えます。けれど、言葉の全体から私が受け取るのは、今を生きるために、自分の中に残る時間へ区切りをつけたい気持ちです。
現在の親密さがあるからこそ、心に残ったものの存在が見えてしまう。新しい幸福が古い悲しみを自動的に片づけてくれる、という歌ではないのでしょう。私は、そばにいる人には説明しきれない過去を抱えたまま、それでも一緒に歩こうとするところに、この歌の静かな切実さを感じます。
1972年の楽曲で、作詞は石坂浩二さん、作曲は坂田晃一さんです。日本テレビ系ドラマ『3丁目4番地』の主題歌としても知られています。この記事の購入欄では、本曲を1曲目に収めた2014年発売のアルバム『ビリー・バンバン』のCDを紹介します。
アルバム『ビリー・バンバン』
「さよならをするために」の基本情報
| 曲名 | さよならをするために |
|---|---|
| アーティスト | ビリー・バンバン |
| 発売日 | 1972年 |
| 作詞 | 石坂浩二 |
| 作曲 | 坂田晃一 |
| 編曲 | — |
| 収録作品 | 『さよならをするために』 |
| シングル順 | — |
| 発売元・品番 | 紹介CD:COCP-38754 |
| タイアップ | 日本テレビ系ドラマ『3丁目4番地』主題歌 |
収録CDと元LPの公式情報 / 作曲者が語る主題歌の来歴 / 本人曲の歌詞・クレジット
1972年の『3丁目4番地』主題歌です。紹介CDの元になったLP『ビリー・バンバン』は、1972年7月10日発売、X-5005です。
購入欄のCDは2014年10月1日発売、COCP-38754。全12曲の1曲目に「さよならをするために」を収録しています。
「さよならをするために」はドラマ『3丁目4番地』の主題歌
1972年のドラマと、主題歌の来歴へ
楽曲が生まれた番組と、歌の読みは分けてたどります。
1972年の主題歌としての来歴
日本テレビ音楽の坂田晃一さんインタビューでは、1972年放送の『3丁目4番地』の主題歌として、本曲の制作が語られています。石坂浩二さんが詞を担当し、坂田さんが曲を作った経緯をたどれる資料です。
ドラマの人物を、そのまま歌の語り手へ重ねる必要はないと思います。番組から生まれた楽曲でありながら、誰かと現在を過ごし、自分だけの記憶も抱えている人の歌として読むと、言葉が身近になります。
「さよならをするために」の歌詞
歌詞の意味・解釈
一緒にいる現在と、同じにはできない過去
題名の別れを誰に向けたものと読むか。そして、今の相手にも渡しきれない記憶をどう受け止めるか。二つの点から考えます。
現在の相手よりも、残る記憶へ向けた別れ
この歌には、過去を振り返る気持ちと、現在の相手に向かう気持ちが共にあります。題名の強い言葉だけで、目の前の人と別れる決意をした歌と読むと、その親密さを見落としてしまう気がします。語り手が区切ろうとしているのは、自分の中でなお続いている過去の時間ではないでしょうか。
今の関係が大切でも、以前に傷ついたことや愛したことは、経験した自分の中に残ります。それを抱えているからといって、現在の相手への気持ちが偽物になるわけではありません。私は、この歌が二つの時間を並べていることで、恋の移り変わりを単純な上書きにしないところが気になります。
過去には嬉しさも悲しさもあったのでしょう。一方だけを切り捨てれば済む記憶ではないからこそ、別れたいという願いにも複雑さがある。私は、当時のすべてを悪いものに変えるのではなく、今の自分の心を占めているものとの距離を変えたい、と受け取ります。
題名は、区切りがすでについたという報告ではなく、そこへ向かいたい気持ちにも聞こえます。今、誰かと一緒にいることと、記憶から自由になることは別です。現在の親密さを描きながら、その違いも残すために、歌には前へ進む願いと心の重さが共存するのだと思います。
今の相手にも、すべては共有できない
親しい人には、自分のことを分かっていてほしい。けれど、自分が経験した過去まで同じように知ってもらうことはできません。この歌で私が寂しさを感じるのは、現在の相手が冷たいからではなく、二人の距離が近くても、語り手の過去がそのまま二人の共通の記憶にはならないところです。
今の相手を責める読みにはしたくありません。相手がどのように返事をしたのか、どこまで事情を聞いているのかは、この歌の中心ではないのでしょう。自分の中に残るものを、そばにいる人も同じようには感じられない。その隔たりが、現在の幸福の中にも一人で引き受ける部分を作っているように読めます。
私は、現在の関係に救われることと、過去について説明できることも別だと思います。安心できる時間を一緒に過ごせても、以前の恋の言葉が自分に何を残したかは、本人にしか分からない部分がある。親密さを否定せずに、その共有できなさも認めるから、歌の寂しさは単なる孤独とは違います。
だから、そばにいる誰かが記憶を消してくれる結末を、この歌に求めなくてもよいのではないでしょうか。大切な人と歩く現在を選びながら、自分の過去への区切りは自分で探している。私は、その二つを同時に抱えるところに、題名の願いの大人びた苦さを感じます。
この曲を聴く
歌の言葉と、1972年のアルバムへ
現在と過去の重なりを言葉からたどりたい方、本曲を含む本人アルバムを選びたい方へ。
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YouTubeで「さよならをするために」を探す
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本人アルバム『ビリー・バンバン』で選ぶ
本曲を、当時のアルバムの曲目と一緒に選びたい方へ。
2014年発売の全12曲CD
購入欄は2014年10月1日発売の『ビリー・バンバン』、COCP-38754です。1972年7月10日に発売されたLPをCD化した作品で、全12曲の1曲目に「さよならをするために」を収録しています。
「れんげ草」「白い風とすずらん」なども入っています。「白いブランコ」「ミドリーヌ」はこのアルバムでのセルフカヴァーとして公式に紹介されています。コロムビアの全曲紹介を見ながら、本曲からほかの作品へ広げられます。
兄弟デュオの作品と、原曲の来歴をたどる
1972年の楽曲、元LP、2014年のCDを分けて案内します。
楽曲とアルバム、それぞれの1972年
公式プロフィールでは、兄の菅原孝さんと弟の菅原進さんによる二人組として紹介されています。本曲は1972年のドラマ主題歌で、購入欄のアルバムは同年7月発売のLPをCD化したものです。
現在選べるCDの発売日は2014年10月1日です。楽曲が世に出た1972年とは分けて見ておくと、同じ曲名を含む作品を探すときも選びやすくなります。本曲を含む全12曲のアルバムを選びたい方は、品番COCP-38754の曲目をたどってみてください。
この曲のまとめ
「さよならをするために」は、誰かがそばにいれば過去を忘れられる、という歌には読めません。現在の親密さを大切にしても、記憶の中に残るものはある。題名は、その残った時間との関わり方を変えたい願いとして、静かに響きます。
今の相手と共有できない部分があることは、二人の関係が無意味だということではないのでしょう。私は、大切な人と一緒にいる現在と、自分で向き合うしかない過去を、どちらも置き去りにしないところに惹かれます。別れたいものがあるからこそ、今を大切にしたい気持ちも見えてくる歌です。
「さよならをするために」に関するよくあるご質問
- Q.1「さよならをするために」はいつの曲?
- A.1
1972年の楽曲です。紹介CDの元になったLP『ビリー・バンバン』は1972年7月10日発売で、購入欄のCDは2014年10月1日発売です。
- Q.2作詞・作曲は誰?
- A.2
作詞は石坂浩二さん、作曲は坂田晃一さんです。日本テレビ音楽の作曲者インタビューでも、本曲の制作をたどれます。
- Q.3どのドラマの主題歌?
- A.3
1972年の日本テレビ系ドラマ『3丁目4番地』の主題歌です。歌の語り手とドラマの人物を同じと決めず、言葉そのものからも読める作品です。
- Q.4題名は今の相手との別れを指す?
- A.4
この記事では、現在の親密さを描く言葉も踏まえ、心に残る過去へ区切りをつけたい願いとして読んでいます。目の前の相手との別れが成立したという読みには限定していません。
- Q.5なぜ今の相手がいても寂しさがある?
- A.5
現在の関係が親しくても、自分が経験した過去がそのまま二人の共通の記憶になるわけではありません。そばにいる人と共有しきれない過去を抱えているところに、私はこの歌の寂しさを感じます。
- Q.6購入欄はどの作品?
- A.6
2014年10月1日発売のアルバム『ビリー・バンバン』、COCP-38754です。1972年のLPをCD化した全12曲の作品を紹介しています。
- Q.7本曲は紹介CDの何曲目?
- A.7
1曲目に収録されています。「れんげ草」「白い風とすずらん」「白いブランコ」なども入っています。
- Q.8ニュー・バージョンもある?
- A.8
キングレコードでは、編曲が岸村正実さんの「ニュー・バージョン」を別の作品として案内しています。この記事の購入欄は、その配信作品ではなくCOCP-38754のCDです。
- Q.9歌詞はどこで読める?
- A.9
この曲が気になった方へ
現在の恋と、残る記憶を感じる歌へ。



