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布施明『シクラメンのかほり』の歌詞の意味・考察|花に残る恋と、戻せない時間

リリース日:
1975/4/10
推定売上枚数:
68.8万枚

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花の前で、ふいに立ち止まる。
戻れるのは、記憶の中だけ。

こんにちは!かなひなです😊

花屋の前を通っただけなのに、昔の人を思い出してしまう。目の前にあるのは一鉢の花で、あの頃の二人がいるわけではありません。それでも、記憶のほうはあっという間に近づいてきます。

布施明さんの『シクラメンのかほり』に惹かれるのは、花の美しさを語る声の向こうに、過ぎた恋を見ている人がいることです。相手を思い出すことはできても、一緒にいた時間へ帰ることはできない。花が身近なぶん、その隔たりが静かに残ります。

1975年4月10日発売のこの曲は、小椋佳さんが作詞・作曲し、同年の日本レコード大賞を受賞しました。ここでは名曲という呼び名から少し離れて、思い出の中で近い人が、今は遠いという感覚をたどってみます。

特選・歌カラベスト3 布施明[2020年版]

一曲から、代表曲三曲へ

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特選・歌カラベスト3 布施明2020年CDのジャケット

布施明
2020年8月5日発売
KICM-8472/CD1枚・全6曲
本曲:第1曲/カラオケ:第4曲

『シクラメンのかほり』『霧の摩周湖』『そっとおやすみ』を収めたCDです。歌詞をたどって聴いたあと、自分でも歌ってみたい方には、同じ一枚にカラオケも入っているところが便利です。

「シクラメンのかほり」の基本情報

1975年の初出と、購入欄の2020年CDは別の発売日です。
曲名 シクラメンのかほり
アーティスト 布施明
発売日 1975年4月10日
作詞 小椋佳
作曲 小椋佳
編曲 萩田光雄
収録作品 『シクラメンのかほり』
シングル順 シングル
発売元・品番 キングレコード/購入CD:KICM-8472

布施明公式・作品一覧 / キングレコード・収録CDとクレジット / 日本作曲家協会・1975年受賞記録

本人公式のシングル一覧では、初出は1975年4月10日です。

購入欄は2020年8月5日発売の『特選・歌カラベスト3 布施明』。本曲のほか『霧の摩周湖』『そっとおやすみ』と、それぞれのオリジナルカラオケを収録しています。

「シクラメンのかほり」の歌詞

歌ネットで歌詞を読む ↗

歌詞の意味・解釈
思い出せることと、取り戻せることは違う

花に重なる相手の姿と、二人を待たずに進む時間。見えるものと戻せないものを、分けてたどってみます。

花は、恋の記憶を呼び起こす入口

歌の中では、花の色に、恋の中で見てきた相手の姿が重なります。同じ名前の花でも、その人へ向ける気持ちによって、印象は違って見える。花そのものを細かく説明するより、花を見ている人へ目が向くところです。

思い出すときには、相手の服装や話した内容を、順番どおりに再現できるとは限りません。それでも、初めて目が合ったときの戸惑いや、一緒にいることが嬉しかった感覚は残っている。花の色は、そんな言葉にしきれない印象を置く場所として読めます。

だから、この曲の花は、飾りとして美しいだけではありません。相手の姿がもう目の前になくても、その人を見ていた自分の気持ちは思い出せる。その働きがあるから、一鉢の花から恋の時間へ入っていけるのだと思います。

別れの場面では、相手の顔が見えない

別れへ目が向く場面で、語り手が見ているのは、こちらに顔を向けていない相手です。どんな表情だったのか、何を考えていたのかまでは語られません。花に重ねられる寂しさも、相手の本心の説明というより、見送る側に残った印象として読めます。

顔が見えないと、気持ちを確かめることも難しくなる。鮮やかな花の色で相手を思い描けても、その人の答えまで思い出から取り出せるわけではありません。私は、この届かなさに、別れを振り返る人の孤独を感じます。

きれいだった恋を語っているだけなら、相手の姿も美しい思い出の中へ収められるでしょう。けれど、この歌には、見つめても気持ちを確かめられない人が残る。花が美しいほど、その向こうの人へ手が届かないことも見えてきます。

花へ戻れても、二人の時間へは戻れない

歌の中で繰り返し気になるのは、過ぎた時間を取り戻したいという思いです。花を見れば、恋の場面は近づいてくる。でも、近づくのは記憶だけで、二人が同じ場所に戻るわけではありません。

この差があるから、花の美しさだけで話を終えられない。何を失ったかが見えるほど、もう戻せないこともはっきりするのです。思い出が鮮やかであることと、気持ちが楽になることは、ここでは別の話です。

それでも語り手は、相手を思い出すことをやめません。過去の恋に結論を付けるより、その人が確かにいた時間を見つめている。忘れれば済む、という言葉では片づかない恋の歌として、私は受け取ります。

この曲を聴く
CD、アルバム、歌詞、受賞時の記録へ

一曲を手元に置くなら、歌入りとカラオケのあるCDを。収録アルバムのほかの曲まで聴きたい方は、『シクラメンのかほりから』へ進めます。

SINGLE CD / 2020

歌入りとカラオケを一枚で

2020年版『特選・歌カラベスト3 布施明』。本人の代表三曲と各カラオケ、全6曲です。

ALBUM / 2021 CD

シクラメンのかほりから

2021年再発CDは全12曲。本曲を第2曲に収め、『傾いた道しるべ』『鳥の背に』も入っています。

LYRICS / READ

花の向こうにいる人を読む

花に重なる恋の記憶と、過ぎた時間への思いを、歌詞全文でたどれます。

AWARD / 1975

受賞時の布施明さんを知る

自らギターを弾いて歌った姿を、日本作曲家協会が振り返っています。

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受賞のステージに残った姿

1975年12月31日、この曲は第17回日本レコード大賞を受賞しました。主催者の記録には、賞の名前だけでなく、その日の布施明さんの姿も残っています。

自分でギターを弾きながら歌った受賞時

日本作曲家協会の回顧は、布施明さんが自らギターを弾き、懸命に歌っていた姿を伝えています。普段の落ち着いた姿との違いにも目を向けた記録です。

受賞曲の名前だけでは、歌っていた人の姿までは思い浮かびません。この記録では、布施明さんが自分で楽器を持ち、歌を届ける場面が見えてきます。花の情景をたどったあと、今度はその言葉を歌う人へ、関心を向ける入口にもなります。

曲と作家、それぞれに残る受賞記録

1975年の受賞記録を読むと、歌唱された作品と、作品を書いた人の両方へ目が向きます。

布施明さんの大賞と、小椋佳さんへの二つの賞

1975年の日本レコード大賞は、布施明さんが歌う『シクラメンのかほり』です。同じ記録には、作詞・作曲の小椋佳さんの中山晋平賞・西条八十賞も掲載されています。第17回日本レコード大賞の記録

曲を書いた小椋佳さんと、その曲を歌った布施明さん。基本情報の二つの名前が、受賞の場では別々の形で残っています。詞や曲へ注目して読むときと、歌う人の姿へ目を向けるとき。その両方から入り直せる一曲です。

この曲のまとめ

『シクラメンのかほり』の花を見ていると、最後には花だけでなく、その向こうの人を見つめてしまいます。鮮やかに覚えていることが、現在の近さを意味しない。その距離が、美しい情景の中に残ります。

次に聴くときは、花の色を思い浮かべながら、それを語っている人が今どこにいるのかにも目を向けてみてください。相手を思い出す声と、時間を戻したい思いを続けてたどると、一鉢の花の見え方も変わってきます。

「シクラメンのかほり」に関するよくあるご質問

Q.1
いつ発売された曲ですか?
A.1

初出シングルは1975年4月10日発売です。布施明さんの公式作品一覧に掲載されています。

Q.2
作詞・作曲・編曲は誰ですか?
A.2

作詞・作曲は小椋佳さん、編曲は萩田光雄さんです。

Q.3
歌詞の意味を短くいうと?
A.3

この記事では、花に重なる恋の記憶と、取り戻せない時間を振り返る歌として読んでいます。思い出せることと、相手の隣へ戻れることの違いに注目しています。

Q.4
日本レコード大賞を受賞したのは何年ですか?
A.4

1975年です。12月31日の第17回日本レコード大賞で、布施明さんが歌う本曲が大賞を受賞しました。

Q.5
受賞したときはどんな姿で歌っていましたか?
A.5

日本作曲家協会の記録は、布施明さんが自らギターを弾いて懸命に歌う姿を振り返っています。

Q.6
購入欄のCDは1975年のシングルですか?
A.6

2020年8月5日発売の『特選・歌カラベスト3 布施明』、KICM-8472です。1975年の初出シングルとは別の商品です。

Q.7
購入CDにはカラオケも入っていますか?
A.7

はい。歌入りの本曲が第1曲、本曲のオリジナルカラオケが第4曲です。『霧の摩周湖』『そっとおやすみ』とそれぞれのカラオケを合わせ、全6曲です。

Q.8
どのアルバムで聴けますか?
A.8

『シクラメンのかほりから』に収録されています。この記事で案内する2021年11月17日発売のKICX-5421は全12曲で、本曲は第2曲です。

この曲が気になった方へ

恋を振り返る曲を、それぞれの視点から紹介します。