ケメ子の歌|歌詞の意味・考察――僕の恋の想像に、相手の言葉が入ってくる
- リリース日:
- 1968年
- 推定売上枚数:
- 69.2万枚
片方の矢印だけが、紙を埋める。
白い余白に、別の色が差す。
こんにちは!かなひなです😊
「ケメ子の歌」は、少年が気持ちを告げたと紹介されて始まります。ところが、歌の中でその思いを口にするのは、ケメ子と別れたあとです。告白したはずなのに、なぜ相手のいない場所で語るのでしょう。私は、その場面のずれから読み始めたくなります。
ザ・ダーツが歌った1968年の曲です。作詞・作曲は馬場祥弘さん。日本コロムビアの公式収録盤と歌ネットでは、曲名を「ケメ子の歌」と表記しています。原盤の所蔵書誌には、浜口庫之助さんの採譜・編曲が記載されています。
『昭和コミックソング大全』
「ケメ子の歌」の基本情報
| 曲名 | ケメ子の歌 |
|---|---|
| アーティスト | ザ・ダーツ |
| 発売日 | 1968年 |
| 作詞 | 馬場祥弘 |
| 作曲 | 馬場祥弘 |
| 編曲 | 浜口庫之助(採譜・編曲) |
| 収録作品 | 『昭和コミックソング大全』 |
| シングル順 | — |
| 発売元・品番 | 日本コロムビア/原盤:LL-10047-JC/紹介CD:COCP-40728 |
原盤の所蔵書誌 / 全音提供の楽譜案内 / 収録CDのコロムビア公式案内
原盤の所蔵書誌には、ザ・ダーツ歌唱の「ケメ子の歌」と「ブーケをそえて」が組み合わされた7インチ盤、LL-10047-JCとして記録されています。馬場祥弘さんの詞曲は、歌ネットと全音楽譜出版社提供の楽譜案内に掲載されています。
紹介する『昭和コミックソング大全』は、2019年2月6日発売、COCP-40728の全18曲入りCDです。8曲目にザ・ダーツの本曲を収録し、鈴木啓之さんが楽曲解説を担当しています。
僕の思いと、ケメ子の言葉を分けて読む
歌詞の意味・解釈
伝えたい気持ちと、相手から返ってくる言葉
私は、少年の恋の強さよりも、その思いが相手のいる場面へ届いているかを考えてみます。
告白の言葉は、相手のいる場所で語られたか
冒頭の語りは少年の告白を紹介しますが、続く歌では、相手と別れてから気持ちを口にしています。私は、このずれが面白いと感じます。聴き手には少年の好意がはっきり分かるのに、本人の前で伝わったとは限らない。告白する勇気の物語が始まったようで、歌に入ると、一人になってから言える気持ちが前に出てくるんですね。
少年は、自分の思いを相手へ届けたいと願っています。少なくともこの場面では、直接気持ちを交わすやり取りではなく、伝えたい思いが一人の言葉として描かれています。聴き手はその好意を知っていますが、ケメ子がその場でどう受け取ったかは描かれません。私は、この場面の視点が少年の内側にとどまることで、恋の熱心さだけが大きく見えるおかしさを感じます。
二人の夢にも、僕の視点が先にある
夢の中では二人で出かけ、食べ物の分け方にまで具体的な偏りがあります。それでも少年の好意は続く。私は、ケメ子を何でも理想どおりの相手に作り変えてはいないところが気になります。自分に都合のよい配分でなくても、その相手が好きだという気持ちが残る。夢の細かさから、少年なりの親しさが感じられます。
ただ、その親しさは、二人で確かめた関係ではなく、少年が想像したものです。最後にケメ子自身の言葉が加わると、夢の中の相手と、意思を持って答える相手の違いがはっきりします。私は、この話者の交代が歌の見え方をひっくり返すと読みます。二人を描いていたはずの世界へ、もう一人の視点が初めて強く入ってくるところです。
ケメ子の返事には外見をあからさまに侮辱する厳しさもあります。私は、その言い方を恋の正しい答えとして受け取るのではなく、少年の想像には収まらない相手の応答として読みます。好意が強ければ相手の意思も同じになる、という物語ではない。少年の思いを知っている聴き手まで、その食い違いに立ち会わされるところに、この歌の笑いの手厳しさを感じます。
この曲を聴く
ザ・ダーツの歌と、曲の記録へ
本人歌唱のCD、レーベルの収録案内、原盤の書誌、メロディ譜を紹介します。
Amazon Music Unlimitedを
無料体験する前に
初回利用など対象条件を満たす方は、最初の30日間無料です。対象かどうかは、Amazonの登録画面に「30日間無料」と表示されているか確認してください。
登録前に知っておきたいこと
- 30日間無料になるのは、Amazonの無料体験対象者です。
- 無料体験中でもキャンセル・プラン変更ができます。
- 無料体験終了後は自動的に有料期間へ移ります。
- 個人プランは月額1,180円、Amazonプライム会員は月額1,080円です。
- 継続しない場合は、Amazon Musicの設定から更新をキャンセルできます。
- 料金やキャンペーンは変わる場合があるため、登録画面の条件が優先されます。
2026年9月21日確認。無料期間・料金・キャンセル:Amazon Music Unlimited公式案内、プランの確認方法:Amazon Music よくある質問。
YouTubeで「ケメ子の歌」を探す
曲名とアーティスト名で、聴きたい映像や音源を探してみませんか。
原盤の二曲と、CDで聴ける一曲
原盤の組み合わせをたどるか、本曲を収録CDで聴くか。二つの入口は収録範囲が違います。
「ブーケをそえて」も聴きたいなら、原盤の組み合わせへ
原盤は、本曲と「ブーケをそえて」を組み合わせたザ・ダーツのシングルです。一方、紹介する『昭和コミックソング大全』は、本曲を8曲目に収めたオムニバス盤で、「ブーケをそえて」は収録されていません。本曲をCDで聴く入口と、ザ・ダーツの同じ盤の二曲をたどる入口を、目的に合わせて選べます。原盤の二曲の書誌 / CDの全収録曲。
昭和のコミックソングとして選ばれた一曲
レーベルは、本曲を笑いと皮肉のある昭和の歌の中に置いています。
恋の歌の結末を、笑いの入口から聴く
日本コロムビアの『昭和コミックソング大全』には、本曲とともに「スーダラ節」「受験生ブルース」「金太の大冒険」などが収められています。鈴木啓之さんの楽曲解説を備えた、昭和のコミックソングのオムニバス盤です。収録曲と解説の公式案内。
私は、最後の応答まで含めて一つの仕掛けとして聴く入口になる選曲だと思います。好きな相手を描く少年の語りだけを、素朴な恋の告白として受け取るのとは違う。誰の言葉を聞いているかが変わった瞬間に、聴き手の期待も動く。その構成へ目を向けて、ほかのコミックソングとの違いもたどってみたくなります。
この曲のまとめ
聴き直すときは、告白の内容だけでなく、それが相手のいるところで語られたのかにも耳を向けてみてください。好意は聴き手には届いていても、二人の間ではどんなやり取りになっているのか。そこを分けると、少年の語りの面白さが変わって見えます。
そして、ケメ子の言葉が入る瞬間を待ってみる。私は、自分の想像の中にいた相手が、別の意思を持つ人として答える、その視点の切り替わりをもう一度聴いてみたいと思います。
「ケメ子の歌」に関するよくあるご質問
- Q.1「ケメ子の歌」を歌っているのは?
- A.1
ここで紹介するのはザ・ダーツの歌唱です。日本コロムビアの『昭和コミックソング大全』にも、この歌手名で収録されています。
- Q.2いつの曲?
- A.2
1968年の曲です。ザ・ダーツの原盤が、同年の日本コロムビア盤として所蔵書誌に記録されています。原盤の書誌。
- Q.3作詞・作曲は誰?
- A.3
馬場祥弘さんです。歌ネットと、全音楽譜出版社提供のメロディ譜案内に掲載されています。楽譜の作者情報。
- Q.4採譜・編曲は誰?
- A.4
原盤の所蔵書誌には、浜口庫之助さんの採譜・編曲が記載されています。原盤の採譜・編曲の記録。
- Q.5ザ・ダーツ版の公式曲名は「歌」?
- A.5
日本コロムビアの収録案内と原盤の所蔵書誌は「ケメ子の歌」と表記しています。歌ネットのザ・ダーツ版も同じ表記です。レーベルの曲名表記。
- Q.6シングルで組み合わされた曲は?
- A.6
「ブーケをそえて」です。原盤は7インチのLL-10047-JCとして記録されています。二曲の原盤記録。
- Q.7少年の告白は、どう読める?
- A.7
私は、好意を感じていることと、それを相手に伝えられたことを分けて読みます。別れた後に口にする気持ちには、その距離が表れています。
- Q.8夢の中の二人では、何に注目できる?
- A.8
私は、食べ物の配分が偏っていても好意が続くところに注目します。ただ、その親しさは少年の想像の中にあるもので、二人の合意が確かめられた関係とは違います。
- Q.9最後の話者交代は、どう考察できる?
- A.9
私は、少年が想像する相手から、別の意思を持って答える相手へ切り替わるところとして読みます。同じ気持ちを返す結末ではなく、二人の視点の違いが表れます。
- Q.10紹介するAmazon商品は?
- A.10
『昭和コミックソング大全』です。2019年2月6日発売、COCP-40728、全18曲入りで、8曲目にザ・ダーツの本曲を収録しています。
- Q.11収録CDに楽曲解説はある?
- A.11
日本コロムビアは、アーカイヴァーの鈴木啓之さんが楽曲解説を担当したと案内しています。CDの公式情報。
- Q.12演奏向けの正規楽譜はある?
- A.12
全音楽譜出版社提供のメロディ譜があります。前奏と1番のメロディ、リズムパターン、歌詞が記載された2ページの楽譜として案内されています。メロディ譜の案内。
この曲が気になった方へ
一人の気持ちと、相手の応答がずれる歌へ。


