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サウンド・オブ・サイレンス|歌詞の意味・考察――声があるのに、言葉が届かない

リリース日:
1964年(原録音)/1965年(電気楽器を加えたシングル)
推定売上枚数:
103.9万枚

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街の灯りは、返事をしない。
二つの声が、夜に残る。

こんにちは!かなひなです😊

誰かと話しているのに、何も伝わっていない気がする。そんな沈黙は、静かな部屋だけにあるわけではありません。「サウンド・オブ・サイレンス」の街には、人々も言葉もある。それでも、互いに聴こうとする関係が見えないんです。

この歌を歌うのは、サイモン&ガーファンクルの二人です。言葉の届かなさを、二つの声が一緒に伝える。その組み合わせが、私は気になります。孤独を語る人が一人で歌う場合とは、どこか違うものが残りそうだからです。

1964年にアコースティック録音として発表され、翌年、電気楽器の伴奏を加えた版がヒットへ向かいました。歌の声を残したまま、周囲の音が変わった曲です。歌詞にある沈黙と、録音にある変化をたどってみます。

『サウンド・オブ・サイレンス』

一曲の孤独から、アルバムの言葉へ

表題曲と「アイ・アム・ア・ロック」を収めた第2アルバム

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サイモン&ガーファンクル
1966年発表の第2アルバム
原題:Sounds Of Silence
サイモン&ガーファンクル

「サウンド・オブ・サイレンス」から「木の葉は緑」「キャシーの歌」「アイ・アム・ア・ロック」へ進めるアルバムです。1964年のデビュー盤や、映画『卒業』のサウンドトラックとは別の作品です。

「サウンド・オブ・サイレンス」の基本情報

原曲の録音と、後のアルバムを分けて見る
曲名 サウンド・オブ・サイレンス
アーティスト サイモン&ガーファンクル
発売日 1964年(原録音)/1965年(電気楽器を加えたシングル)
作詞 ポール・サイモン
作曲 ポール・サイモン
編曲 —
収録作品 『Sounds Of Silence』
シングル順 デビュー盤収録曲から、電気楽器版のヒットへ
発売元・品番 Columbia/日本のアルバム発売元:ソニー・ミュージック
タイアップ 映画『卒業』のサウンドトラックに収録

ソニーミュージックの略歴 / ポール・サイモン公式のクレジット / 第2アルバムの発売情報

最初の録音は1964年3月10日。原録音を収めたデビュー盤は『水曜の朝、午前3時』です。トム・ウィルソンさんはプロデューサーとして、1965年に電気楽器の伴奏を加えました。

第2アルバム『Sounds Of Silence』は1966年1月17日発売。映画『卒業』のサウンドトラックは1968年の作品で、曲の最初の発表より後です。

「サウンド・オブ・サイレンス」は何の主題歌?
映画『卒業』と、1968年のサウンドトラック

映画からこの曲を知った方には、1968年のサウンドトラックも、もう一つの入口になります。

映画のために初めて生まれた曲ではない

公式サイトによると、映画『卒業』のサウンドトラックには、本曲のほかに「スカボロー・フェア/詠唱」や「4月になれば彼女は」などが入っています。本曲はアコースティックのリプライズも収録。映画を通して、二人の音楽はさらに広い聴き手へ届きました。公式のサウンドトラック紹介。

ただし、曲の出発点は1964年です。映画との結びつきからさかのぼると、もともとあった歌が、後の作品で別の入口を持ったことが分かります。映画の印象を大切にしながら、歌だけにある語り手の孤独へ戻ってみるのもよさそうです。

歌詞を読む

ポール・サイモン公式サイトで英語の歌詞を読む ↗。語り手と街の人々の距離を、歌詞全体でたどれます。

歌詞の意味・解釈
声のない世界ではなく、聴き合わない街

題名の沈黙は、音量の小ささだけでは捉えきれません。誰が語り、誰がその言葉を受け取るのかが気になります。

なぜ、暗闇へ話しかけるのだろう

語り手は、暗闇をよく知る相手のように扱います。誰かに話したいことがあるのに、最初の相手は人ではない。この始まりだけで、私は、人との会話から少し離れた場所へ連れていかれる気がします。

暗闇は不安なものにもなります。でも、この歌の語り手にとっては、何度でも言葉を向けられる相手です。人々のいる場所より、何も答えない暗闇のほうが近い。その逆転が、孤独を単なる一人きりの状態とは違うものにしています。

私はここを、暗さに安らいでいるだけの場面とは読みません。言葉を伝えたい気持ちは残っているからです。相手を求めることと、人の輪から離れることが、同じ語り手の中で続いています。

言葉が増えても、対話になるとは限らない

歌に現れる街は、人のいない場所ではありません。人々は言葉を発し、何かを聴くように見えます。それなのに、互いの思いを受け取る関係は結ばれない。ここでは、人が大勢いることが孤独の解決になっていないんです。

その場にいる語り手も、ただ冷たく人々を眺めているわけではありません。伝えようとする動きがあります。でも、言葉を発したことと、届いたことは別です。私はこの曲の痛みを、何も話さなかった後悔より、話しても返事がなかった経験に重ねて読みます。

沈黙を破るには、とにかく声を大きくすればいい。そんな答えにならないところが印象に残ります。話し手だけでなく、受け取る相手が必要だからです。題名は、賑やかな場所にも残る距離を指しているように感じます。

二つの声が、届かなさを一緒に語る

1964年の録音について、二人の公式サイトは、アコースティックギター2本とアップライトベースによる伴奏を紹介しています。アート・ガーファンクルさんのテナーと、二人の歌が曲を支える録音です。原録音の回顧。

この編成を知ると、私は、二人が同じ言葉を歌うことそのものへ注意を向けたくなります。歌の中では人と人が聴き合えないのに、歌う二人は一つの曲を作っている。歌詞の世界と、それを伝える声の関係が、まったく同じではないんですね。

私は、届かなさを誰かと一緒に伝えられる、という小さな余地に惹かれます。歌詞を読んだあとには、二人の声がどう重なるかを確かめながら聴きたくなります。

返事のない場所を、音楽にも残す

音楽研究者のダニエル・レヴィティンさんは、米議会図書館に掲載された署名論考で、本曲の呼びかけと応答の構造に注目しています。語り手の言葉が届かない箇所では、次の歌の応答を置かず、間を残すという指摘です。レヴィティンさんによるアルバム論。

この指摘から、私は、沈黙を言葉で説明するだけでなく、返ってこない時間として示す作り方を考えます。相手へ何かを伝えたあと、返事を待つ短い時間。そこに何も来ないことが、語り手と街の距離を見せているようです。

聴き直すときには、歌われる言葉と同じくらい、その先に何が続くかにも注目してみてください。旋律が返事をしてくれそうなところで、何が残るのか。題名を、歌の構造から捉え直す入口になります。

この曲を聴く
二つの録音と、歌詞の沈黙へ

第2アルバム、英語の歌詞、録音の回顧を選べます。アコースティックの原録音に関心がある方は、1964年のデビュー盤も比べてみてください。

ALBUM / 1966

表題曲から第2アルバムへ

本曲と「アイ・アム・ア・ロック」などを収めた『サウンド・オブ・サイレンス』です。

OFFICIAL LYRICS

語り手と街の人々の距離を読む

ポール・サイモンさんの公式サイトで、英語の歌詞全体を読めます。

RECORDING STORY

伴奏が変わった曲の来歴へ

1964年の原録音と、後から電気楽器を加えた経緯を紹介しています。

OFFICIAL CATALOG

第2アルバムの曲目を選ぶ

表題曲から「木の葉は緑」「キャシーの歌」などへ、聴く範囲を広げられます。

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原録音から、後年の共演へ

伴奏を足した録音と、二人が再びステージに立った記録。曲が歩いた道を、違う作品からたどれます。

歌い直すのではなく、録音に音を重ねた

1965年の変化は、まったく新しい歌唱へ録り直したことではありません。トム・ウィルソンさんが、もとの録音へ電気楽器とドラムスを重ねました。二人に知らせず進められた追加録音だったことも、公式の来歴に記されています。原録音と追加録音の公式回顧。

歌の声は残り、その周囲の伴奏が変わる。二つの版を比べるときは、別々の歌唱だと考えるより、同じ声が違う音の中に置かれたことへ耳を向けると面白そうです。私には、沈黙を歌う声と、街へ押し出す伴奏の関係を考える手がかりになります。

セントラルパークにも残る一曲

1981年のセントラルパークでの再共演は、翌年にライブ・アルバムになりました。公式に案内されるCD/DVD版の曲目にも、本曲が入っています。スタジオの録音とは別に、後年の二人が歌う作品へ進める入口です。セントラルパーク公演の収録作品。

原録音、電気楽器を加えた版、映画のサウンドトラック、後年の共演。題名が同じでも、曲に触れる場所は一つではありません。まず歌詞の語り手に関心を持ったなら、次は二人が一緒に歌う姿へ目を向けてみるのも楽しみです。

若い疎外感と、伴奏が与えた切迫感

作者の回想と、音楽研究者による編曲の評価を分けて読むと、曲の言葉と広まり方の両方が見えてきます。

孤独な言葉を、歌いやすい旋律で

公式サイトが紹介するNPRでの発言で、ポール・サイモンさんは、この曲を若い時期の疎外感と結びつけています。同時に、旋律を歌いやすいものにしたことにも触れています。アート・ガーファンクルさんの回想でも、旋律の簡潔な力が語られています。二人の発言を紹介した公式記事。

孤独について考える言葉と、人が歌える旋律。この二つが別々ではないところに惹かれます。人との距離を描く歌が、聴く人の口にも乗る。歌詞の中で結ばれなかった関係が、歌う行為の側には少し開かれているように、私は受け取ります。

電気楽器を加えると、何が変わるのか

レヴィティンさんの論考は、本人の承認なしに伴奏を追加したことへの批判と、音楽としての評価を両方記しています。電気楽器版については、曲にもともとあった切迫感を強めたと捉えています。追加録音を論じた署名論考。

私は、この二つを分けて考えたいと思います。制作の進め方をめぐる問題と、出来上がった音の働きは、同じ問いではないからです。二つの版を聴き比べるときには、どちらが正解かだけでなく、同じ言葉が伴奏によってどう届くかにも関心を向けられます。

この曲のまとめ

「サウンド・オブ・サイレンス」は、静けさを褒めるだけの歌ではないように思います。人々の声があっても、言葉を受け取る関係がない。その中で、語り手は伝えようとし続けます。

次に聴くときは、二人の声と、返事を待つような間へ注意を向けてみてください。原録音と電気楽器版を比べるなら、同じ歌の声が違う伴奏の中でどう届くかも、聴き直す楽しみになりそうです。

「サウンド・オブ・サイレンス」に関するよくあるご質問

Q.1
「サウンド・オブ・サイレンス」を歌っているのは?
A.1

サイモン&ガーファンクルです。ポール・サイモンさんとアート・ガーファンクルさんのデュオです。

Q.2
作詞・作曲は誰?
A.2

ポール・サイモンさんです。本人の公式歌詞ページに、作詞作曲と1964年の著作権表示があります。

Q.3
最初の発表は1968年?
A.3

最初は1964年のデビュー盤『水曜の朝、午前3時』に収められました。1968年は映画『卒業』のサウンドトラックの発売年です。

Q.4
アコースティック版と電気楽器版は何が違う?
A.4

1964年の原録音に、1965年、トム・ウィルソンさんが電気楽器とドラムスを重ねました。歌をまったく新しく録り直したのではなく、既存の録音に伴奏を加えた版です。

Q.5
電気楽器を加えた版はいつヒットした?
A.5

1965年にシングルとなり、1966年には米国で1位になりました。公式略歴にその経緯が記されています。

Q.6
題名の沈黙は、静かな場所のこと?
A.6

私は、音の少なさだけでなく、言葉を発しても互いに聴き合えない状態として読みます。人々のいる街にも孤独が残るところが、この歌の特徴です。

Q.7
二人の声には、どんなところに注目するとよい?
A.7

歌詞では言葉が届かないのに、歌う二人は同じ曲を一緒に伝えています。歌の中の孤独と、声が重なる関係を比べてみると、別の入口になります。

Q.8
応答のない間についての考察は?
A.8

音楽研究者のダニエル・レヴィティンさんは、語り手の言葉が届かない箇所で、歌の応答を置かず間を残す構造を指摘しています。米議会図書館掲載の署名論考で読めます。

Q.9
映画『卒業』のために書かれた曲?
A.9

曲は1964年に発表され、映画より先に存在しました。1968年のサウンドトラックには本曲と、アコースティックのリプライズも収録されています。

Q.10
紹介しているAmazonの商品は何?
A.10

本曲を収めた第2アルバム『サウンド・オブ・サイレンス』です。1964年のデビュー盤や、『卒業』のサウンドトラックとは別のアルバムです。

Q.11
同じアルバムにはどんな曲がある?
A.11

「木の葉は緑」「キャシーの歌」「4月になれば彼女は」「アイ・アム・ア・ロック」などがあります。公式サイトで曲目を確認できます。

Q.12
後年のライブでも本曲を聴ける?
A.12

1981年のセントラルパーク公演を収めた公式のCD/DVD作品にも、本曲が入っています。スタジオ盤とは別の演奏を楽しめます。

Q.13
英語の歌詞全体はどこで読める?
A.13

ポール・サイモンさんの公式サイトで読めます。この記事の「歌詞を読む」と購入・歌詞の案内から移動できます。

この曲が気になった方へ

孤独や、人と人の距離を描く別の歌へ。