寺尾聰「ルビーの指環」の歌詞の意味を考察|手放したい指環を、二年後も探す理由
- リリース日:
- 1981/2/5
- 推定売上枚数:
- 134.1万枚
街の色に、恋が残る。
赤い記憶は、指先へ。
こんにちは!かなひなです😊
「ルビーの指環」は、別れを強く言い切ろうとした人が、二年たっても相手の面影を探している歌だと私は読みます。指環を返すつもりなら手放してほしいと求め、自分は一人で平気だと振る舞う。その言葉とは違う心が、後から街での視線に現れます。
私が心を引かれるのは、捨てるよう求めた指環を、最後には自分が探してしまうところです。恋の記憶を終わらせたい気持ちと、残っていてほしい気持ち。同じ赤い石が、別れの場面と二年後の街をつないでいます。
松本隆さんの詞は、冷めた紅茶やコート、指先といった小さなものから、相手を失った心を見せます。1981年の一曲を、忘れられない恋の歌として読むと、街の景色も、強い別れの言葉も、違った切なさを持って聞こえてきます。
『Reflections +4』
「ルビーの指環」の基本情報
| 曲名 | ルビーの指環 |
|---|---|
| アーティスト | 寺尾聰 |
| 発売日 | 1981年2月5日 |
| 作詞 | 松本隆 |
| 作曲 | 寺尾聰 |
| 編曲 | 井上鑑 |
| 収録作品 | 『ルビーの指環』 |
| シングル順 | 1981年発売のシングル |
| 発売元・品番 | 東芝EMI/購入案内の再発CD:TOCT-26252 |
初出・詞・曲・編曲:寺尾聰公式ディスコグラフィー。再発CD:レーベルの『Reflections+4』情報。
本人の公式ディスコグラフィーでは、シングル『ルビーの指環/CINEMA HOTEL』は1981年2月5日、LP『Reflections』は同年4月5日の発売です。作詞は松本隆さん、作曲は寺尾聰さん、編曲は井上鑑さんです。本人公式の曲情報
購入案内は2007年5月16日発売の『Reflections+4』、TOCT-26252です。レーベルは、原盤をリマスターして4曲を追加した盤として紹介しています。同じメンバーで再録した『Re-Cool Reflections』とは分けて聴ける商品です。原盤リマスターの公式紹介
「ルビーの指環」の歌詞
歌詞の意味・解釈
別れを言い切る口と、面影を探す目
指環の意味が、別れの場面から二年後の街へ変わっていきます。
外された指環に、関係の終わりを感じる
曇ったガラスの外に風の吹く街があり、その中で、失った相手への思いが語られます。別れの記憶にあるのは、相手が背を丸めて指環を外す動作。私は、大きな説明より、その小さな動きから、二人の関係が終わることの重さを感じます。
話し手は、指環を自分へ返すつもりなら、捨ててほしいと求めます。私は、物として戻ってくる指環を受け取ることが、恋の終わりを認めることにも感じられるのだと読みます。実際にどう処分されたかより、受け取りたくないほど痛い記憶が、そこにあると感じます。
夏の約束は、別れの場でも頭から離れない
指環をめぐる場面から、相手が誕生石について話した記憶と、八月の光の中で愛を誓った記憶へ移ります。私は、目の前の別れに向き合いながら、まだ一緒にいられると思っていた時間も、心の中へ戻ってくると読みます。
ルビーは、ただ値段のある装飾品ではなく、相手の言葉と、二人が愛を確かめた記憶を呼び起こすものです。夏の明るさを思い出すほど、今の別れとの違いが際立つ。私には、その明るい記憶も、失ってからは痛みを伴うものに感じられます。
一人で平気という言葉に、気持ちが揺れる怖さがある
話し手は、自分は孤独を好むから、相手は気にせず行ってよいと伝えます。でも続く言葉では、自分の気持ちが変わる前に去ってほしいと求める。私は、その急ぎ方に、本当は引き止めたい気持ちへ戻ってしまう怖さを感じます。
冷めた紅茶が残るテーブルと、人波へ紛れていく相手の姿。ここでは、相手を見送る視線が残ります。口では平気なように振る舞っても、目は相手を追っている。私には、強い言い方だけでは抑えられない寂しさが、その場の景色から伝わってきます。
二年後も、コートの色から指先を探してしまう
二年が過ぎても、街でベージュのコートを見かけると、指にルビーの指環がないか探してしまいます。私は、相手と再会した場面ではなく、似た姿を見て恋の記憶へ引き戻される人の姿として読みます。時間が過ぎたことと、心が終わったことは同じではないのです。
別れのときには手放すよう求めた指環を、今度は自分が探している。この逆転が切ない。私には、恋を終わらせるために出した言葉より、つい向けてしまう視線のほうに、話し手の未練が表れているように感じられます。赤い石の記憶が、街の中で今も残っています。
この曲を聴く
言葉、原アルバムの音源、後年の演奏へ
街の景色と指先の記憶を、一曲の中でたどってみます。
REMASTER CD / 2007
原アルバムのリマスター盤で聴く
1981年の『Reflections』をリマスターし、4曲を追加した14曲入りCD。2006年の再録盤とは別の商品です。
OFFICIAL AUDIO / 2018 UPLOAD
1981年『Reflections』の公式音源へ
UMGがYouTubeへ提供した原アルバムの音源。公開は2018年7月21日で、MVやライブ映像ではありません。
LIVE ALBUM / 1984 RELEASE
ライブ盤に残る同じ曲へ
本人公式の曲情報には、1984年発売の『SPECIAL LIVE IN TOKYO』への収録も掲載されています。
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ライブでの「ルビーの指環」
原アルバムに加えて、ライブ盤や後年の再録にも同じ曲が残っています。
ライブ盤と、25年後に録り直したアルバム
寺尾さんの公式曲情報には、『ルビーの指環』が1984年2月21日発売のLP『SPECIAL LIVE IN TOKYO』にも入っていると記されています。また、『Reflections』を25年後に録り直した『Re-Cool Reflections』は、2006年12月20日の発売です。原盤、ライブ盤、再録盤は別の録音として案内されています。本人公式の収録情報 再録アルバムの発売情報
私は、まず原アルバムの音源で、相手を見送る場面から二年後の街までを味わいたいと思います。そのうえで、別の録音へ進むこともできる。歌の中の時間だけでなく、この曲が歌われ続けてきた時間へも、入口が広がります。
口コミ・評価では、何が注目されている?
街の記憶を描く詞と、それを届ける音作りにも手がかりがあります。
井上鑑さんと今剛さんが試みた、ギターと鍵盤の音作り
井上鑑さんは、Musicmanの2004年のインタビューで、『Reflections』の編曲を手がけたことを語っています。当時はギタリストの今剛さんと、スティーリー・ダンの『ガウチョ』を意識し、ギターとキーボードの組み立てを試していたそうです。寺尾さんもその試みに前向きだったと振り返っています。井上さん本人のインタビュー
私は、その話を知ると、歌の言葉と一緒に、音の組み立てにも耳を向けたくなります。別れの歌として読む入口だけでなく、寺尾さんの曲と井上さんの編曲を聴く入口もある。小さな物に心を映す詞を、アルバムの音楽として楽しめるところに惹かれます。
街の中の小さな物に、忘れられない心を映す
同じインタビューで井上さんは、街で指環を探す場面に感じる確かさを、松本隆さんの詞の力として評価しています。レーベルも、1981年の『Reflections』の音を、都会的でロマンティックなものとして紹介しています。井上さんによる詞への評価 レーベルの原アルバム紹介
私には、この街の魅力は、華やかさだけではありません。紅茶の残るテーブル、相手のコート、街で向けてしまう指先への視線。そのどれもが、言葉で終わらせようとした恋を思い出させる。身近な景色から、忘れられなさが伝わる歌です。
この曲のまとめ
「ルビーの指環」は、強い別れの言葉より、後から向けてしまう視線に心が残る歌だと私は読みます。指環を返されることを拒み、一人で平気だと言う人が、二年後には街でその赤い石を探してしまう。恋の終わりを言葉で決めても、記憶は同じようには終わりません。
夏の約束も、冷めた紅茶も、コートの色も、一人を失った思いへつながります。私には、忘れられないと説明し続けるより、その小さな景色を見せることで、深い未練が伝わってくるところが、この歌の魅力です。
歌ネットで別れと二年後の言葉をつなぎ、公式音源で原アルバムの一曲を聴く。リマスターCDからアルバム全体へ進むこともできます。赤い指環をめぐる、言葉と心の違いをたどってみてください。
「ルビーの指環」に関するよくあるご質問
- Q.1『ルビーの指環』の初出はいつ?
- A.1
本人公式では、シングルは1981年2月5日です。アルバム『Reflections』は同年4月5日に発売されています。
- Q.2作詞・作曲・編曲は誰?
- A.2
松本隆さんが作詞、寺尾聰さんが作曲、井上鑑さんが編曲を担当しています。
- Q.3どんな別れの歌と読める?
- A.3
私は、強く別れを言い切ろうとした人が、二年後も相手の面影を探している歌として読みます。
- Q.4指環は実際に返されたり捨てられたりしたの?
- A.4
相手が指環を外す動作と、返すつもりなら手放してほしいという話し手の言葉があります。私は、処分の結末より、その指環を受け取りたくない心に注目します。
- Q.5ルビーは何を表すもの?
- A.5
私には、相手が話した誕生石の記憶と、二人の愛の約束につながるものに感じられます。終盤では、その記憶を街で探す目印にもなります。
- Q.6八月の場面にはどんな意味がある?
- A.6
二人が愛を誓った明るい夏の記憶です。私は、別れの場にその時間が戻ることで、失った恋の痛みが際立つと読みます。
- Q.7孤独を好むという言葉は本心?
- A.7
私は、その言葉だけでなく、気持ちが変わる前に去ってほしいという続きに注目します。一人で平気だと振る舞う心にも、引き止めたくなる怖さが感じられます。
- Q.8冷めた紅茶の場面はなぜ印象に残る?
- A.8
私には、相手が去っても、その場に自分と物が残る寂しさを伝える景色に感じられます。
- Q.9二年後には相手と再会したの?
- A.9
街でコートを見かけ、指先に指環を探す場面です。私は、似た姿から相手の記憶へ戻ってしまう人の姿として読みます。
- Q.10音作りについて編曲者はどう語っている?
- A.10
井上鑑さんはMusicmanのインタビューで、今剛さんとギターとキーボードの組み立てを試し、スティーリー・ダンの『ガウチョ』を意識していたと振り返っています。
- Q.11紹介する公式動画はライブ映像?
- A.11
UMG提供の原アルバム『Reflections』の音源です。YouTube公開は2018年7月21日で、MVやライブ映像ではありません。
- Q.12購入案内は2006年の再録アルバム?
- A.12
2007年5月16日発売の『Reflections+4』です。原盤をリマスターして4曲を加えた14曲入りCDで、『Re-Cool Reflections』とは別です。
- Q.13ライブ盤にも収録されている?
- A.13
本人公式の曲情報には、1984年発売のLP『SPECIAL LIVE IN TOKYO』への収録も掲載されています。
この曲が気になった方へ
別れを言葉にしても、心は同じ速さで離れない。


